大谷翔平だけじゃない 王貞治、野村克也、落合博満ら往年の強打者も犬を愛した理由 評論家が解説

 愛犬を連れて、太地半島で自主トレーニングを開始した中日・落合博満=1993年1月17日
 愛犬と戯れる南海・野村克也=1954~1977年
 愛犬チビと楽しいひと時を過ごす巨人・王貞治=1967年5月7日
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 MLBで2度目のシーズンMVPに輝いた大谷翔平投手。その際に犬と登場したことが話題となったが、プロ野球でも往年の強打者たちが犬を飼っていた記録が残る。

 世界のホームラン王と称された王貞治氏、戦後初めて三冠王に輝いた野村克也氏、そして3度の三冠王に輝いた落合博満氏。いずれも現役時代は愛犬とともに結果を残してきた。現代になってもレッドソックスで活躍する吉田正尚外野手は自身が尊敬するブライス・ハーパーにちなみ愛猫は「ブライスくん」、愛犬は「ハーパーくん」と名付けていた。

 広島、阪神で活躍し、引退後も指導者を歴任してきたデイリースポーツ評論家・岡義朗氏は「犬と一緒に生活するのは大きい」と効果を明かす。自身も現役時代に犬と猫を飼っていたといい「一つはストレス解消。言葉は通じなくても、表現が豊かだし、懐いてくれる。犬は飼い主の反応に敏感だからというのもあるしね。触れあうことで、その瞬間だけでも野球のことを忘れることができるよね」と語った。

 プロ野球選手はゲームの結果に生活がかかっており、周囲のヤジなど精神的に追い詰められるケースもある。「特に打てない時はみんな考える。その時に言葉は通じないけど犬に声をかけてみたり。それだけでもすごく心が楽になる。同い年の選手では落合だけじゃなく、真弓も中畑も犬を飼っていた」と語った岡氏。「先発投手でも次の登板まで1週間ある。その間に犬がいてくれることで次の登板へ切り替えやすいという話も聞いたことがある」と言う。

 また昭和の時代では犬を飼うことは一流選手のステータスでもあったという。「今は違うけど、昔はマンションで簡単にペットを飼えなかった。だから結果を残して一軒家を建てた選手しか犬を飼うことができなかったんだよね。今はどのマンションでもペットを飼うことができるけど、『鳴き声がうるさい』とかそういうクレームが入ってきた時代だったからね」と述懐した岡氏。強打者と犬の関係には、切っても切れない縁があるようだ。

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