ロッテ・佐々木朗希は大人の投球に変身 オリックス・宮城大弥はさらに凄みが増した 球界屈指の2人の投げ合いに感嘆の声

 注目されたロッテ・佐々木朗希、オリックス・宮城大弥両投手による先発対決(4月30日・ほっともっとフィールド神戸)は1点勝負の末、佐々木に軍配が上がった。予想どおりの投手戦となったが、デイリースポーツウェブ評論家の野田浩司氏は、球界を代表する2人の投球に“変化と進化”を感じたという。

  ◇  ◇

 (試合は佐々木が7回を被安打4、奪三振10、無失点で勝ち投手。宮城は8回を被安打5、奪三振13、失点1で負け投手。両者の直接対決は通算5試合目で佐々木の3勝1敗となった)

 今年の佐々木を見ていて思うのは、できるだけ多くの球数を投げようとしているところ。その意識はイニングの多さにも表れている。今季は最初の登板以外はすべて7回まで投げているが、そこがまず昨年までとは違うところですね。

 だからなのか、昨年までは初回から160キロ級の速球を投げていたのが、今年は序盤なら150キロ台前半程度に抑えている。ペース配分を覚えようとしているような印象を受ける。

 さらに球種で言うと、スライダーが多い。もちろんストレートは変わらずに速いし、宮城との投げ合いではフォークもよく落ちていたが、今年はこのスライダーが目につく。

 2022年の4月にパーフェクトを達成した試合は同じく宮城との投げ合いだったが、そのころはストレートとフォーク以外はカーブをチョロっと投げていたぐらいでしたからね。

 本人には1年間通して働けていないことで、ローテーションをしっかり守るという目標があるんでしょう。そういう思いもあって大人のピッチングに変わってきているのかな。

 佐々木が“脱・朗希”なら、宮城は同じ投球スタイルを保ちながらさらに進化し、凄みを増しているというイメージ。山本由伸が抜けたことでエースの自覚が生まれ、背中でチームを引っ張っているように感じる。

 今年の宮城はメチャクチャいいんですよ。球速も制球もワンランク、スケールアップし、特に右打者へのクロスファイヤーは一段と精度が上がっている。

 この日は1点リードされて迎えた六回と八回はともに三者三振。とくに八回は前の打席で打たれている荻野に対して外、内、内と捕手のミットどおりに直球を配して見逃し三振に打ち取った。意地を見せましたね。

 自己最多の13三振を奪ったように、佐々木以上の出来で勝てなかったのは残念だろうが、リーグを代表する投手同士の対決は非常に見応えがあった。

 (今季、佐々木は3勝1敗。防御率1・64。宮城は2勝3敗。防御率1・41)

 昨年WBCに選ばれ活躍した2人。平日のナイターで試合前は雨も降っていたのに観衆が32582人。凄い人気でしたね。ほっともっとフィールドでは今季初戦ということも手伝い、周辺道路はかなり渋滞が起きてましたよ。

 2人とも高校を卒業して5年目でこの実力。できることならこれから先も両投手の投げ合いを見続けていきたいんですけどね。本当に魅力的なんだけどなあ。

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