広島・大瀬良、開幕へ視界良好4回0封 これぞエースじゃ!四回ピンチで3者連続K
「練習試合、オリックス5-0広島」(5日、京セラドーム大阪)
2年連続開幕投手としての貫禄を見せつけた。広島・大瀬良大地投手(28)が4回2安打無失点、6奪三振。3月20日・中日戦(マツダ)以来の対外試合登板で、抜群の安定感を見せつけた。次回登板が開幕前最後のマウンドとなる見込み。本番へ向け、最後の仕上げに入る。
額に汗をにじませ、握りしめた白球に気持ちを込めた。試合でこそ感じられる空気に触れ、自然とムードも高まる。3月20日以来となった対外試合のマウンドは、大瀬良にとって開幕へ向けた上々の予行演習となった。「きょうは言うことないかなと思います」。試合後は満足げな表情を浮かべた。
立ち上がりから直球に球威があった。初回1死から2番・T-岡田に四球を与えたが、続く吉田正を左飛、4番・ジョーンズを右飛といずれもストレートで押し込んだ。三回まで無安打投球と、ほぼ完璧だった右腕のハイライトは四回だ。
先頭のT-岡田に初安打を浴び、続く吉田正には右前打でつながれ一、二塁。ここから本領を発揮する。4番・ジョーンズには外角カットボールを振らせて三振で1死。5番・勝俣にはカウント2-2から外角いっぱいに148キロ直球を決めて見逃し三振に斬った。
最後は太田を低めカーブでバットに空を切らせ、圧巻の3者連続三振。「三振を取りたい場面でもあった。三つ取れたのは自信になるかな」と納得顔だ。佐々岡監督も「強さがあった」と目尻を下げた。
マスクをかぶった会沢と「意思疎通しながら投球を組み立てる」ことがテーマだった。女房役のサインにうなずき一球一球、丁寧に自分の間合いで腕を振った。前回登板した5月29日の紅白戦ではスライダーが抜ける場面が多く見られたが「思ったところに投げ切れている」と、1週間後の実戦できっちり修正した。
2年連続の開幕投手として、チームの初陣に照準を定めてきた大瀬良。開幕延期期間が長引いたことで、難しい調整を強いられてきた。いよいよ2週間後に迫った開幕戦。例年以上に、今年は背負うものがある。「ファンの皆さんも開幕を待ちわびていると思いますが、僕たちもウズウズしています。ファンと手を取り合いながら、いいシーズンにしていけたら」。本番までの登板は、あと1試合の見通し。最終仕上げを施し、19日を最高の状態で迎える。