「広島４－３阪神」（２８日、マツダスタジアム）

　広島が今季初のサヨナラ勝ちを収め、カード初戦をもぎ取った。同点の九回、１死一、二塁から八番・上本が中越えへの適時打。上本にとってはプロ入り初のサヨナラ打で、接戦に終止符を打った。

　カウント１－１から岩崎のチェンジアップを振り抜いた打球は、中堅・近本の頭上を越えた。大急ぎでベンチを飛び出したナインから祝福のシャワーを受けた上本は「とにかく抜けてくれという思いだった。チームが勝てたことが何よりです」と、殊勲の一打を振り返った。

　九回の守りでは１死一、三塁で送球ミスを犯していた。だからこそ、挽回するには打つしかなかった。サヨナラ打を放ってからは、涙を浮かべた。仲間が一目散に駆け寄ってきてくれた景色も、感極まる要素だった。

　佐々岡監督は「スタメンで出ても結果が出ない中、イジられながらもやっていて。だからあの涙なんだと（思う）」。チームは前カードのＤｅＮＡ戦で負け越し、地元に戻っての３連戦。脇役に支えられ、仕切り直しの一戦を制した。