広島・堂林 50打点突破 プロ入り初「感謝の気持ち」

 「広島3-2ヤクルト」(28日、マツダスタジアム)

 トンネルに足を踏み入れる前に、快音を響かせる。その姿はたくましく映り、ファンの胸を焦がす。踏み入れたことのない領域に到達した一打は、ベンチとスタンドに興奮をもたらした。広島・堂林が価値ある2点適時打。今季51打点で、プロ入り初めて50打点を超えた。

 好機を逃さない集中力が、初回に発揮される。1点を先制し、なおも2死満塁。石川の変化球を捉えると、低く鋭い打球が三遊間を破った。「低めを打ったら、いい結果が出ない投手」とベテラン左腕を分析した上で「目付けを高めに設定して浮いてきた変化球に、いい対応ができた」と狙い澄ました左前適時打を振り返った。

 打点を挙げたのは22日・阪神戦以来5試合ぶり。直近3試合は8打数無安打と、バットが少し湿り気味の中で今季51打点に達した。「使ってくれる監督、コーチのおかげ。感謝の気持ちです」と謙虚さを言葉に乗せた。残り10試合へ「数字を気にせず、最後まで突っ走っていきたい」と自らにムチを入れた背番号7。力強い足取りでシーズンを完走する。

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