広島・田中法 0封デビュー 高卒2年目右腕ぴしゃり3人斬り 鯉投にまた新星

 6回にプロ初登板し、1イニングを無失点に抑える好投を見せた田中法(撮影・立川洋一郎)
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 「広島3-3ヤクルト」(29日、マツダスタジアム)

 高卒2年目の広島・田中法彦投手(20)が最高のプロデビューを果たした。六回に初の1軍マウンドに上がると、3人をピシャリと抑える完璧な投球。チームは3点差を追いつくもあと一本が出ずに引き分けとなったが、若手の活躍が目立つ中、また一人将来有望な若鯉が現れた。

 三者凡退に打ち取るとグラブをポンとたたき、マウンドを降りた田中法。ベンチで沢崎投手コーチに声を掛けられると、それまでの緊張した面持ちがスッと和らぎ、はにかんだ表情に変わった。初舞台を堂々と演じきった右腕は「ブルペンの方が緊張していた。ベンチからグラウンドに出たときの方が気持ち的には大丈夫でした」と胸をなで下ろした。

 デビューの登板が訪れたのは0-3の六回だ。先頭の広岡を左飛に打ち取ると、続く古賀にはカウント3-1から左飛に仕留めた。簡単に2アウトを奪うと、最後は代打・長岡をフルカウントから144キロ直球で詰まらせ、遊ゴロに仕留めた。

 14球で1回を無安打無失点。「変化球でもストライクを取れた。低めに投げられたし、やってきたことを出せたと思う」と安どし、佐々岡監督は「しっかり三人で抑えてくれた。経験を積んで成長してほしい」と期待を寄せた。

 今季、ウエスタン・リーグではシーズン途中から守護神を務め、25試合に登板。1勝1敗。リーグトップの12セーブを記録し、防御率は1・73をマーク。勝負強い投球が首脳陣に評価され、16日に1軍初昇格を果たした。

 1年目は「フォームが分からなくなった」と苦しい日々を送った。だが永川2軍投手コーチの指導もあり、肩の開きが改善されたことが安定感につながったと田中法はいう。

 育成出身の大盛などを筆頭に今季は18年ドラフト同期が計4人、1軍デビューを果たした。「僕もこういう風にならないといけない」と刺激を受け、鍛錬を積み、マツダスタジアムのマウンドを踏んだ。

 チームは3点差を追いつくもあと一本が出ずに引き分けた。だが、鮮烈なデビューを果たした若武者の台頭はチームにとって大きな意味を持つはずだ。念願の1軍舞台に立った右腕。今後の目標に向けて「変化球の全球種で勝負できるようになりたい」と意気込んだ20歳が、さらなる高みを目指していく。

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