広島・奨成“なにくそ精神”来季こそマスクかぶる!「捕手として試合に出たい」
広島の中村奨成捕手(21)が2日、広島県廿日市市の大野練習場で契約更改交渉に臨み、現状維持の700万円でサインした。3年目の今季は1軍初昇格を果たしたが、4打数無安打とレベルアップの必要性を痛感。来季に向けて“なにくそ精神”での1軍定着を誓った。(金額は推定)
もどかしさを募らせながらも、力強く前を向いた。中村奨は「下げられなかっただけ良かったと思う」と現状維持の評価を受け止めた。プロ初出場を果たした今季。「まだまだレベルの低い選手。レベルに達していない選手だと実感できた」と潔く力不足を認めた。
7月25日に1軍初昇格。翌26日のDeNA戦(横浜)に代打で登場したが、プロ初打席は投ゴロ。計4打数無安打で8月8日に2軍降格し、9月11日に再昇格を果たしたが、出場機会のないままに同16日に再び2軍降格となり、プロ初安打は来季に持ち越しとなった。
2軍では一時首位打者に躍り出るなどして、1軍切符をつかんだ。しかし「自信満々で1軍に上がって、結果が出なかった」。1軍の壁を肌で感じたからこそ、活躍への思いは一層強くなる。「これをいい経験にして、来年巻き返していく。春から勝負できるようにしていきたい。自分の中で“なにくそ”と思って、しっかりとやっていけたら」と覚悟をにじませた。
みやざきフェニックス・リーグでは11試合に出場し、36打数10安打の打率・278、2本塁打、6打点。今季の実戦を終え「いいものがたくさん出せたので。このオフでゼロにせず、そういうところを伸ばせるように。休みに入って空っぽになるのでは、いい選手になれない」と自身と向き合っていく。
捕手争いは正捕手・会沢に坂倉が2番手の座を確立。石原慶が引退したが、フェニックス・リーグで存在感を示した石原貴などライバルは多い。「とにかく春に向けて。悠長にしてられない」。オフは巨人・小林との合同自主トレを志願。「まだ進展はない」と現状は未定ながら、「あちらもケガで忙しいと思いますし、一緒にできたら」と初の“広陵タッグ”実現を熱望する。
1軍出場した4試合は全て代打で、守備機会はなかった。「捕手として試合に出たい。負けられない」と中村奨。プロ4年目の来季は捕手としての第一歩も刻み込む。