白血病公表1年の広島OB北別府氏「勝負は始まっている」 キャンプ前の心構え

 オフの自主トレ期間も終盤に近づいてきた。昨年5位に沈んだ広島の選手もトレーニングに力が入っている。キャンプを前に投手として意識すべきことは何か。心構えは?デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏にその“極意”を尋ねた。また白血病の公表から1年。同氏から現況報告もあった。

  ◇  ◇

 まず断っておきたいのは私たちの時代と違って、今はシーズンオフになっても、ずっと練習をしているという印象があるからね。昔は、シーズンが終わった途端にゴルフ三昧、飲み三昧、しばらくは野球の事を考えず遊んだね。その点が大きく変わりました。ただ自主トレから勝負は始まっているというのは変わっていない。そこは肝に銘じてオンオフをつけていた。

 今年は佐々岡監督の目も厳しくなると思う。去年は結果は別にして、若手をどんどん起用していく野球だった。そういうシーズンでもあった。そこで結果を出した選手もいれば、出せなかった選手もいる。結果を出した選手は19日に発表された沖縄メンバーに入ったが、キャンプでさらに飛躍する姿を見せないといけない。数少ないチャンスをいかに生かして結果に結びつけるか。その意味でも自主トレは大事になってくる。

 (昨年は先発で遠藤、中継ぎでは塹江が目覚ましい活躍を見せたが、今年も順調に成長し、不安なく開幕を迎える保証はない)

 塹江は去年、よく投げたけど、登板過多で疲れが残らないとも限らない。そうなれば、ほかの左投手がまた必要になる。右の先発候補の遠藤にしても立ち上がりが悪くフタを開けてみないとた分からない部分があったが、昨年の経験を今年は何としても生かして欲しい。しかし、ほかの投手からみればチャンスと言い換えることもできる。ローテーション投手も中継ぎ投手も、ちょっとしたキッカケで、そのポジションを手にすることができる。

 (一昨年、1軍定着のキカッケをつかみながらも、昨年は登板機会が1度もなかったのが山口)

 もったいないね。(山口に限らず)もっと自分で自分の投球を分析したほうがいい。スピードはあるのに、なぜ通用しないのか。それは緩いボールが欠けているからだとか。同じタイプの投手なのに、なぜ打たれるのか。それはタテの変化はあるが、横の変化がないとか。頭を柔らかくして観察や研究をしないと。ボールの握り方を聞いてみるのもいい。同じフォークボールにしても浅い握りもあれば、深い握りもある。今の時代は縦横無尽に変化させるように球種が豊富。投げられないと終わってしまう時代。もちろんストレートを磨くことが大前提というのは言うまでもないが、とにかく自分に足りないものは何か。それを常に考えながら練習に取り組んでほしい。

 (自主トレが終盤を迎え、プロ野球の元日と言われるキャンプが近づきつつあった昨年1月。北別府氏は成人T細胞白血病にかかったことを公表した。突然のニュースに周囲は騒然となったが、あれから1年。同氏からは現在の体調など、近況が報告された)

 1月20日のテレビのニュースで公表して、21日の新聞に載ってから1年ですね。ファンの皆さまにはご心配をおかけしています。今の状況ですが、現実を言えば大変な病気なんだと思っています。当初、抗がん剤治療で吐き気がなく熱も出なかったので、そうでもないなあと思っていたけど、幹細胞の移植後は熱が出たり体調の変化が著しくなった。その後も階段を少し上がっては下がる感じの繰り返し。一気にはよくならないですね。長い入院、治療で筋肉が落ちてしまい足腰が弱っていることもあって、まだ以前のように機敏に動ける状態ではないけれど、治療の成果も出て、かなり回復してきているので、選手同様、全快を目指して私も頑張ります。

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