広島・今村の戦力外通告「疑問に感じる」安仁屋氏「3連覇に貢献した素晴らしい実績」

 広島・今村猛投手(30)が戦力外通告を受けた。ドラフト1位で入団し、16~18年のリーグ3連覇ではセットアッパーや抑えでフル回転した右腕。デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏(77)が思いを語った。

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 今村の戦力外通告を聞いて「まさか」と思った。というのも、彼は今季1度も1軍マウンドに上がっていなかったからだ。1軍で結果を残せなかったのならまだ分かるが、投げるチャンスすら与えてもらえずに戦力外になってしまったことに疑問を感じる。

 ましてや彼はリーグ3連覇に貢献した素晴らしい実績を持つ投手でもある。3連覇の時は「勝利の方程式」の一角として、体がきつい時もチームのために歯を食いしばって投げてくれた。その時の勤続疲労がここ数年の不振につながっていたと思う。徐々に体も回復し、来年あたりはもう一花も二花も咲かせてくれるんじゃないかと期待していただけに残念としか言いようがない。

 3連覇に貢献した投手といえば、今村のほかにもリリーフでは一岡や中崎、先発では岡田や薮田らがいるが、彼らも今季は1軍登板の機会がなかったり、あったとしても数えるほどしか投げていない。戦力外通告こそ受けなかったが、今村を見て「あすは我が身」と感じたことだろう。

 今季、広島の投手陣は世代交代の波が押し寄せている。栗林ら即戦力の新人3人が加わり、若手がどんどん1軍で起用された。経験を積ませること自体は悪いことではないが、チーム状態が良くない時には今村のような実績のある投手を1軍に上げても良かったのではないか。若手の相談に乗ったり、いいお手本にもなってくれたと思うし、戦力的に見ても若手・中堅・ベテランがうまく絡んだ時がチームは一番力を発揮できるからだ。

 今村はまだ30歳。大瀬良と同い年だ。昔は30歳というと下り坂のイメージがあったが、今の時代は30歳前後が一番脂が乗っている。まだまだ今村も1軍で通用すると思うし、他球団のユニホームを着られるチャンスがあるのなら、ぜひチャレンジしてほしい。このまま辞めてしまうのは本当にもったいない。

 ◆広島・今村「覚悟はしていたけど、いざとなるとちょっとしんどいですね。隙があれば(1軍に)と思って、2軍ではやっていました。(3連覇時は)純粋に楽しかったという思い出しかない」

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