広島・新井監督「しっかり振り返って明日へ」 止まらない失速9月3勝12敗 秋山&末包でリードも九里5失点KO逆転負け

 敗戦を喫しベンチを後にする新井監督
 5回、サンタナに同点となる適時打を許した九里(撮影・佐々木彰尚)
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 「ヤクルト5-4広島」(18日、神宮球場)

 失速が止まらない。広島は3点のリードを守れず、ヤクルトに惜敗。中10日で先発した九里亜蓮投手(33)が中盤につかまり、5回1/3を7安打5失点と精彩を欠いた。これでチームは直近7試合で4度目の逆転負け。2年ぶりのビジター7連敗となった。9月は3勝12敗となり、1日時点で「14」あった貯金は「4」まで減少。Bクラス転落だけは阻止したい。

 坂道を転げ落ちる現状に、歯止めが利かない。視線を落としながらベンチに戻る九里の姿が、9月戦線を象徴していた。もらった援護を徐々に吐き出し、最後には逆転を許す悪循環。中10日で上がったマウンドで役割を果たせず「ボール先行が多かったと思うので、その辺をしっかり反省したい」と今季9敗目に悔しさをにじませた。

 相手主砲に浴びた一発から、次第に歯車が狂った。3点リードの四回は先頭・サンタナに四球を与え、4番・村上に右越え2ランを許して1点差に迫られた。2ボールからの高め直球を振り抜かれ「ボール先行からなので。(相手が)思い切り振れるカウントにしてしまったところはあると思う」と唇をかんだ。

 続く五回は2死二塁でサンタナに右翼線へ運ばれ、試合を振り出しに戻された。相手に傾いた流れを止められず、六回は1死から連打で二、三塁のピンチを招いて降板した。2番手・塹江が2点を奪われ、九里は5回1/35失点。新井監督は「本人が分かっていると思うし、悔しいところだと思う」と右腕の心境をおもんぱかった。

 打線は今季初対戦のヤフーレから主導権を握った。1点リードの四回は3連打で2点目を奪い、なおも1死二、三塁から矢野の二ゴロの間に3点目。カープらしい野球を見せたが、白星にはつながらない。1点を追う九回は2死一塁で反撃の機運が高まったものの、坂倉が遊飛に倒れた。それでも新井監督は「初対戦のピッチャー(ヤフーレ)だったけど、各自が積極的に振っていく中でいい攻撃はできたと思います」とプラスに捉えた。

 これで11日・巨人戦から直近7試合で5度、先制に成功するも4度目の逆転負け。先手を奪いながら試合をひっくり返される展開が目立つ。6年連続でシーズンのビジターゲーム負け越しも決まり、ビジターゲームは2年ぶりの7連敗と、マイナスの数字が並ぶ。

 4位・DeNAには0・5ゲーム差に迫られ、Bクラス転落の危機も深刻さを増してきた。「なかなか、かみ合わない状況だけど、しっかり振り返って明日の試合に臨みたい」と前を向いた新井監督。今はただただ、光が欲しい。

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