広島・堂林16年目の来季へ悲壮決意 今季は「本当に情けないシーズン」 400万減6000万円で更改
広島・堂林翔太内野手(33)が4日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、400万減の年俸6000万円でサインした。今季はわずか1本塁打で、5月には不振で2軍再調整も経験。若手、新外国人との競争に身を置く来季を「勝負の1年」と捉え、世代交代の波にあらがって逆襲すると誓った。(金額は推定)
ふがいないシーズンから目を背けることなく、真正面から向き合った。堂林は「選手会長という立場としても、野球人としても本当に情けないシーズンだった」と厳しい表情を貫いた。
そして16年目の来季は背水の覚悟で挑む。「あと5年できるのか、本当に1年で終わるのかという大事な時期。この先が決まる勝負の年かなと思っている」。悲愴(ひそう)感にも似た心境を述べ、押し寄せる波にあらがっていく覚悟を決めた。
開幕4番でスタートした今季は4月下旬から下降線をたどり、5月12日に出場選手登録を抹消された。不振による2軍再調整は自身3年ぶり。最終的には87試合の出場にとどまり、打率・230、1本塁打、17打点。12本塁打を放った昨季を思えば、もどかしさだけが募った。
シーズン最終戦後、新井監督は「来年はさまざまなことが変化する年になる」と世代交代を示唆した。「あの言葉を聞いてから本当に、より危機感が湧いた」と巻き返しへの思いを強めた。
チームは今オフ、新外国人野手としてメジャー通算21本塁打のモンテロと、マイナー通算104発のファビアンを獲得した。モンテロは一塁手、ファビアンは外野手でポジションが重なる。
「来年34歳になるけど、まだまだ衰えていると思っていません。外国人もだし、秋のキャンプでキツい練習をやってきた若い選手もどんどん伸びてくると思う。うかうかしていられない」。盛り返せる自信を抱き、オフは土台作りに励む。
10月から密度の濃い練習を継続。「年間戦える体の強さを鍛えていかないといけない。みっちり手応えのあるトレーニングができている」と着々と下地は整っている。今季、思うようなパフォーマンスを披露できなかった要因は分析済みで「そうならないためにも、トレーニングからいい癖づくりをしながら技術に結びつけている」と現状を明かした。
年明けは例年通り、カブス・鈴木誠也らと合同自主トレを実施し、恒例の護摩行にも臨む。「開幕に合わせるんじゃなくて、2月1日に合わせて動けるように準備をしていきたい。『まだまだできるぞ』という姿を見せたい」と堂林。歯を食いしばり、逆境をはね返す。