「オープン戦、広島３－０ロッテ」（１６日、マツダスタジアム）

　広島でも“翔平”が歓声を浴びた。塁上をにぎわせても、本塁は踏ませない。広島・森翔平投手が７安打を浴びながら要所を締めて６回無失点。「本当に一試合一試合が争いなので、結果にこだわって挑んだ」。これで今年の実戦は計２３回１失点で、オープン戦は計１３回無失点。初の開幕ローテ入りが決定的となった。

　初回はいきなり連打で無死一、二塁とされるも、石川慎を遊ゴロ併殺に仕留めた。最大の見せ場は五回２死一、二塁。フルカウントから藤岡を空振り三振に斬った。勝負球に外角チェンジアップを選択し「（腕を）振って打者が反応してくれると思って投げた」と思惑通りのアウトを奪った。

　新井監督は明るいトーンで「ウチの翔平もいいよ」。東京ドームでのプレシーズンマッチで注目を集めているドジャース・大谷と同じ名前の森を高評価。「いい悩み」と開幕ローテ入りの明言こそ避けたが、常広、玉村、ドミンゲスとの争いから一歩抜け出す形となった。

　六回はこの試合初の三者凡退で、リズム良く最後の回を締めた左腕。春先に思い通りの結果を残せなかった近年の傾向から一転、アピールを続ける今年の姿が頼もしい。次回は２３日、ソフトバンクとのオープン戦（マツダ）に登板する見込み。「もっと中身にこだわって」。現状に満足することなく、さらに質の高い投球を突き詰めていく。