春の珍事?広島打線がチーム本塁打単独トップ ファビアンにも一発 安仁屋宗八氏「彼の場合は集中力」
「オープン戦、広島3-0ロッテ」(16日、マツダスタジアム)
広島のサンドロ・ファビアン外野手(27)がオープン戦第1号を放った。三回一死二塁から低めの変化球をすくい上げて左翼席へ。新助っ人に待望の一発が生まれ、これでチーム本塁打は12球団単独トップの8本。しかし、デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏は「次の打席がいけない。集中力が足りない」と辛口だった。
◇ ◇
ファビアンにようやくホームランが出たね。低めの変化球。抜いた球だったけど、緩い球には強いのかな。“あそこしか打てん”というような低めのゾーンだった。
だが、そのあとがいけない。五回無死三塁は3球三振。それも見逃し。こういうチャンスで簡単に終わってしまっては周りの信頼は得られないですよ。僕は納得がいかんね。ベンチも物足りないと感じているのではないか。
彼に必要なものは、とにかく集中力。これが欠けて油断しているように見えることがある。15日の同じロッテ戦では打球への反応が悪く、レフトの守りには不満を感じたからね。積極性や集中力は打撃でも守りでも大事。今後の課題はいかに集中力を持続させるかに尽きると思うね。
ところで、このファビアンのホームランで広島のチーム本塁打数は12球団で1番になった。オープン戦では打撃面で元気のなさが目立っていたが、キャンプから思いっきり振り切る練習をしてきた成果が今になって出てきているのかな。
ただね、ホームランが出るのはチームにとっては大きいけど、肝心なのはチャンスに打って打点を挙げること。そういう意味でも五回の見逃し三振はいただけない。
チームとしては八回無死一、二塁から三者連続三振で無得点。打ってほしいときに打てない弱みはまだまだ解消されてないね。
先発した森は毎回走者を出していたが、落ち着いたマウンドさばきで要所を締めた。制球を乱すことなく、どの球種でもストライクを取れていたし、低めに集めていたのがよかった。
ただ、立ち上がりの入り方には気をつけたい。初回、いきなり連打を浴びたが、いずれも初球の直球を狙われたもの。後続を抑えはしたが、公式戦ならこうはいかない。
見逃せないのは四回二死二、三塁で二塁走者のポランコをけん制で刺したシーン。矢野からのサインに応じたものだ。これはアウトを奪うというより、失点を抑えるために走者を引きつけるのが目的。チームとしてシーズンに入ってからも続けてほしいね。
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