広島・新井監督 対外試合ワースト10失点、2戦連続完封負けも前向き「問題ない」「逆に本番、気合も入る」
「オープン戦、西武10-0広島」(19日、ベルーナドーム)
広島が敵地で行われた西武とのオープン戦で2戦連続完封負けを喫した。打線は散発6安打。若手野手から快音が聞かれず、20イニング連続無得点となった。安定していた投手陣もこの日は今年の対外試合でワーストとなる10失点。開幕まで残り3試合となった中、新井貴浩監督(48)は前向きな言葉を並べて、現状を冷静に見つめた。
平日の昼間から右中間席を埋めた鯉党は寒さに凍えた。気温1度、外では雪が舞っていた。ドームの屋根とスタンドの間から吹き付ける風と目の前で苦闘する選手の姿が寒さに拍車をかける10失点での完封負け。調整段階とはいえ、投打ともに不安の残す内容となってしまった。
投手陣は先発・大瀬良が4回6安打3失点。中継ぎは高橋が1回無失点だったものの、中崎、島内はともに1回2失点で、栗林は1回4安打3失点だった。攻撃陣は3度、得点圏の好機を迎えるも決定打は生まれず、20イニング連続無得点。新井監督は「いつも言っているけど、バッティングは時間がかかるからね。今日も若い選手がいっぱい出たけどね。こっちも根気よく」と若手野手陣を長い目で見続けることを強調した。
一方で朝山打撃コーチは「監督からチャンスをもらっているのにちょっとさみしい」と苦言。「西武の若いバッターは速い球に合わせてバンバン振りにきていた。(自軍の若手は)真っすぐ系のボールをさばけていない。惜しかったなぁというのもない。もっと若々しさを出してほしい」と奮起を促した。
ストロングポイントの投手陣も、この日に限っては計15安打を浴びて10失点となった。指揮官は「オープン戦だから。気にしてないし、点を取られずに(シーズンに)入るより、少々打たれて取られて入った方が逆に本番、気合も入るんじゃないかなと。問題ないです」とコメント。3失点した守護神・栗林に関しても「球の力強さはある。打たれたから、点を取られたからというのは関係ないと思う」と全幅の信頼を崩さなかった。
残るオープン戦は3試合。ここからは開幕を想定した戦いに入るが、「まだ開幕のロースターは決まってないから、各自がいいものを見せてもらいたい」と新井監督は話す。首脳陣は最後までアピールを求めている。その期待に応え、ファンの不安を一掃する選手の出現が待たれる。
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