広島・野間 延長十一回代打V撃!5割復帰 激走の羽月転倒ヒヤリも 新井監督ご満悦「打ってよし、顔よし、野間たかよし」

 11回、代打で勝ち越しの適時二塁打を放つ野間
 11回、代打野間の二塁打で三塁を回り転倒する代走羽月
 試合終了後、野間(左)に、帽子をとって最敬礼する新井監督(撮影・市尻達拡)
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 「中日1-2広島」(10日、バンテリンドーム)

 冷や汗かいたけど…。広島が価値ある勝利をつかんだ。延長十一回に代打・野間峻祥外野手(32)が右翼フェンス直撃の打球を放った後、二走・羽月隆太郎内野手(24)が三塁を回ったところで転倒。ヒヤリとしたが、何とか生還して決勝点をもぎ取った。チームはビジター5試合目での初勝利で、勝率5割に復帰して3位タイ浮上。勢いに乗って11日からは4連勝中のマツダスタジアムで首位・巨人を迎え撃つ。

 総立ちになった三塁ベンチに向かって、野間は右拳を突き出して胸を張った。手に汗握る延長戦に終止符を打った、値千金の一撃。「振れるところは思い切っていこうと思っていた。いい結果になって良かった」と汗を拭い、勝利の余韻に浸った。

 同点の延長十一回、1死二塁から代打で登場。「藤嶋投手は球速以上に力を感じるイメージがあったので、しっかり(球を)つぶそうイメージで打ちに行った」。思い描いた通り、藤嶋の浮いた変化球を上からたたくように強振した。滞空時間の長い飛球は右翼フェンスを直撃した。

 しかし、直後にナインもファンも冷や汗をかいた。二走・羽月が三塁を蹴ったところで転倒。1回転してヘルメットが脱げたが、すぐさま立ち上がって無事に決勝のホームを踏んだ。野間はヒーローインタビューで「びっくりしました。頼むよ~と思って見ていました」と苦笑いだった。

 殊勲の働きに新井監督も「打ってよし、顔よし、野間たかよし」と2度繰り返すほどご満悦。「自分も経験があるけど、代打はすごく難しいポジション。そこで今日みたいな大きな仕事をやってくれて、野間さん、頼もしいね」と絶賛した。

 昨季は113試合に出場して先発出場は105試合。今季のスタメンは3試合で、代打は7試合目だった。いつ訪れるか分からない出番に備える難しさを体感。「今までやってきた入りでは遅いのかなと。どういう入りをすれば、いい入りができるのかを探しながらやっている」と明かした。

 定めた方向性は好球必打。「厳しいコースは、初球からいっても打つのは難しい。ある程度、甘めに来たところを振れる準備を(ベンチ)裏でしっかりやって入らないと、なかなか厳しい。そういう準備をやって入るようにしている」。慣れないポジションで準備をしてきた積み重ねが、敵地で最高の結果を生んだ。

 チームは昨季から続いた中日戦の連敗を5で止め、バンテリンドームでの連敗も4でストップ。ビジター5試合目で初勝利を収め、勝率5割復帰で3位タイに浮上した。「チームの勝ちのために、自分のできることを必死にやりたい」と野間。働き盛りの32歳が、あらゆる形でチームを支えていく。

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