広島・田中 北広島の悪夢払拭へマツダ6連戦で流れ持って来る! 昨季タカ戦では起死回生の3ラン
本拠地で悪い流れを断ち切る。広島・田中広輔内野手(35)が16日、ホーム6連戦での逆襲を誓った。現在、チームは2カード連続で負け越し、17日からは交流戦首位のソフトバンクを迎え撃つ。自身は昨季、ソフバンク戦で九回に起死回生の同点3ランを放つなど存在感を発揮した。球団史上初の交流戦Vの可能性が残る中、頼れるベテランがチームを引っ張る。
チームにとって大事な1週間が幕を開ける。ビジターでの6連戦は、2カード連続の負け越し。15日・日本ハム戦(エスコン)では7点リードからまさかの大逆転負けを喫した。仕切り直して迎えるホームでの6連戦。こんな時こそ頼りになるのがベテランの存在だ。田中は「週の頭をいい形で入れれば、チームとしても大きい。一戦一戦やるだけかなと思います」と流れを引き寄せる覚悟をにじませた。
7日に今季初昇格を果たした背番号2。2度目のスタメン出場となった13日・日本ハム戦(エスコン)では2年ぶりの3安打をマークするなど、打率・364と好調をキープしている。その要因は「僕は変わらず毎日準備して、というのを続けているだけ」と淡々と分析。「その日に出たところでしっかりやるだけ。その中でいい結果がついてくればいい」と、どんな場面でも変わらず準備を続ける姿勢が安定したプレーにつながっている。
交流戦もいよいよ終盤戦。チームはここまで6勝6敗で、6位タイに位置づけている。17日からの6連戦次第では、球団史上初の交流戦優勝の可能性も残る中、「それ(優勝)はモチベーションにしていいと思う」と田中。「若い選手も多いので、必死にやっていく中で結果がついてくれば最高」と一戦必勝の心構えで臨んでいく。
頂点を狙うチームの前に立ちはだかるのは、交流戦首位のソフトバンクだ。昨季は敵地で3連敗を喫した中で、意地を見せたのが田中だった。2連敗で迎えた3戦目。3点ビハインドの九回2死一、二塁から起死回生の2号同点3ランを右翼席へ。試合には敗れたが、「それは去年のこと。自分たちがやるべきことに集中していく」と気持ちを切り替え、リベンジに燃える。
本拠地ではここまで19勝8敗1分け、勝率・704の好成績を誇る。田中も「ファンの皆さんの声援も借りながら戦えるのは大きいと思う」と確かなアドバンテージを感じ取っている。ベテランの経験と落ち着きは、ここぞの場面でこそ生きてくる。もう交流戦を“鬼門”とは言わせない。熱気に包まれるマツダスタジアムで、田中がチームを再び上昇気流へと導く。
◆過去の交流戦メモ 広島は過去19回の交流戦で優勝はなく、2017年の2位が最高の成績。このときは優勝したソフトバンクと12勝6敗で並んだが、直接対戦成績(1勝2敗)で涙をのんだ。昨季までの交流戦の通算成績は、176勝235敗15分けで勝率.428。特に19年以降は苦戦が続き、19年・5勝12敗1分け(勝率.294)、21年・3勝12敗3分け(同.200)、22年・5勝13敗(同.278)と3回連続で勝率3割を切る不振が続いた。