広島・黒原 2・1全快で逆襲開始「マウンドにいたい」5月に左膝手術で戦線離脱 体幹トレでノーモア故障

 よーいドンでスタートだ。広島の黒原拓未投手(26)が30日、マツダスタジアムを訪れ、来年2月1日のキャンプインから全快で争いに加わる心意気を示した。昨季は53試合に登板したが、今季は5月に左膝の手術を受けて全休。復活を期す来季は春季キャンプからアピールし、先発、中継ぎの役割を問わずにフル回転していくことを誓った。

 “投げたがり”の黒原にとって、今年はもどかしい1年になった。悔しさを晴らすため、再び1軍のマウンドに戻るため-。調整の照準を向けているのはキャンプ初日の来年2月1日だ。「みんなそこがスタートなので。自分一人だけ遅れると、競争で下に入ると思う。同じラインでスタートを切れるように頑張りたいですね」と力を込めた。

 今季は2月の春季キャンプ中に左膝の違和感を訴えて戦線離脱。その後は3軍で調整を続けていたが、5月に左膝外側半月板の縫合手術を受けて1、2軍ともに登板がなかった。自己最多となる53試合に登板して中継ぎでフル回転した昨季から一転して、2025年は不本意なものとなった。

 現在もリハビリ中心のメニューをこなしている中、10月下旬にはブルペンでの投球練習を再開した。「焦る気持ちはあるけど、無理して良くなっていたものが戻ることが一番ダメ」と語り、「キャッチボールや遠投もして、慎重にしっかりつくってやれたらなと思います」と足元を見つめた。

 1年目の22年には左肩痛でも長期離脱しており、ケガはもうこりごり。己の投球フォームと向き合い、「自分の姿勢は骨盤がそっていて、腹圧が抜けやすい。お尻ももっと使えてもいい。ここで頑張れないから腰や背中、肩に代償がきている」という結論に至った。弱点克服のため、今オフは体幹を鍛えるメニューにも数多く取り組んでいる。

 この1年でチームの投手事情は変わった。来季は栗林、岡本、辻といった中継ぎで活躍していた投手が先発に挑戦する。ローテーション争いはより一層激化が予想される一方で、中継ぎは勝ちパターンを含めて不確定なものが多い。

 黒原はプロで先発と中継ぎの両方の経験がある。希望のポジションは?そんな問いには「どっちがやりたいってあった方がいいんですか?」と返し、「どっちもチームにとって必要だし、しんどい部分もある。僕はチームの力になれるなら、どこでもやりますというスタンス。そういう意味ではどっちもやりたい。投げたいです。マウンドにいたいです」と貪欲な姿勢を前面に押し出した。

 来季は5年目となる左腕。巻き返しを図る新井鯉に必要不可欠な存在になるべく、復活への歩みを加速させていく。

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