広島・野間 代打卒業で外野定位置奪い返す! 動作解析施設「上達屋」で股関節まわりの強化着手 12年目もう一度「勝負」
広島・野間峻祥外野手(32)が2日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1000万減の年俸7000万円でサインした。今季は主に代打で79試合の出場にとどまった。オフは広島市内の動作解析施設「上達屋」で股関節まわりの強化に着手。プロ12年目の来季は代打を卒業し、外野の定位置を再奪取すると誓った。(金額は推定)
悔しさを胸の内にとどめ、野間は潔く今季を振り返った。常時スタメンに名を連ねた過去2年と比べ、不完全燃焼に終わった1年。「自分で結果を出して勝ち取っていかないといけないところ。そこに関しては自分の力不足」と言い訳をしなかった。逆襲を期す来季は外野のレギュラー返り咲きを誓う。「野球選手ですから頭から出たい。そこを目指してやらないと」と言葉に熱を宿した。
巻き返しの実現に向け、すでに始動している。10月、広島市内にある動作解析の工房「上達屋」に初訪問した。かつて新井監督も現役時代に通った施設。野間は10月以降、週に一度の頻度で股関節まわりの強化に励む。「去年ぐらいから、構えた時にしっくりこない感じがずっとあった」と、新たな練習を取り入れた契機を説明した。
良化の兆しを徐々に実感。「マシン打撃とかで“しっくり感”は出てきている。(屋外で打つと)課題も出てくると思う」と機能改善に努めていく。並行して以前から通う広島市内のトレーニングジム「アスリート ネクスト」では、フィジカルを鍛える方針だ。
打撃面ではスイング時の出力向上を図る。「今までは無理をして振っていた。それを普通のレベルに持って行けたら、もう少し強い打球を打てるのかなと。自分の基準値を少しでも上げられるように」と高みを目指す。
今季は79試合の出場で打率・247、0本塁打、15打点。23年から2年連続100安打以上も、今年は38安打にとどまった。世代交代を進めるチーム方針もあり、出番は終盤の代打がメイン。代打では54試合に出場して打率・255、6打点だった。
1打席勝負に臨む中で「松山さんのすごさを感じた1年でした」と今季戦力外となった先輩の偉大さを肌で感じた。ただ「来年、代打でやるつもりはない」ときっぱり。一回から九回までグラウンドに立ち続ける下地を整えていく。
かねて新井監督は来季の構想に触れて、小園とファビアン以外のレギュラー白紙を明言。激しい外野手争いに身を置くことになる。「中堅どころの選手が若い選手と競ってやっていかないと、チームは良くならないと思う。そこと勝負できるようにこのオフ、しっかりやっていきたい」と気迫をみなぎらせた野間。自主トレに変化も加えて、定位置の座を奪い返す。
◆広島選手と上達屋 「上達屋」は選手のパフォーマンス向上を目的とし、動作解析を行う工房。主宰はパフォーマンスコーディネーター・手塚一志氏で、同氏が1993年に「ベータ・エンドルフィン」という会社を設立したのが始まり。広島では黒田(現球団アドバイザー)が2004年に手塚氏にサポートを依頼。新井監督も阪神在籍時の現役時代に同氏を頼り、体の使い方などを改善した。黒田氏の勧めで大瀬良が16年からサポートを受ける。17年には広島に工房が開設。現在は会沢らが足を運んでいる。





