アルプスに響いた聖光学院の伝統「シャローム」とは
「選抜高校野球・準々決勝、浦和実12-4聖光学院」(26日、甲子園球場)
センバツもベスト4がそろいましたね。準々決勝では第4試合で聖光学院のアルプスに行ったところ、熱い応援をされている一団がありました。そこから、こんな声が響いてきたんです。
「シャロームを思い出せ!シャロームを思い出せ!」
何のことやと思い尋ねたところ、聖光学院が2022年夏にベスト4まで進んだ時の、キャプテンでU18のショートもやっていた赤堀君のお父さんと、ファーストだった伊藤君のお父さんによる声でした。お二人は関西の方なので応援に来られていたというわけで。
それで謎の声援の意味ですが、聖光学院が甲子園出場で関西に来る時に、選手を連れて行くバッティングセンターが「シャローム」という名前だということで。調子を落としている選手がいれば送迎役を引き受けるそうで、24日に竹内君と細谷君らを連れていったところ、25日の早実戦ではともに3安打でした。
「連れて行ったら活躍してくれたんですよ。だから今日もシャロームと言うてるんですわ」てなことを聞いていると、ちょうど六回2死一、二塁の攻撃です。細谷君に打席が回ると「シャロームを思い出せ!」が出ただけでなく、「シャローム細谷!いけ!」という、どこのピン芸人やねんという声援に変わったわけですが、その直後です。細谷君が打った打球は、最初はレフトフライかなと思ったところ、ポール際への同点3ラン。みなさん大喜びでした。
OBも応援に来ていた中、赤堀君は来てなかったですが、伊藤君は実際に来て取材も受けていました。その横でお父さんが「シャローム!」と絶叫していると、伊藤君が「インタビュー中にシャロームはやめてくれ」と言ったり。竹内君がファインプレーした時には、お父さん二人が「シャロームのおかげや!」とか。いや、守備は関係ないやろと思いながらも、試合には敗れましたが熱い思いを感じました。
そもそも「シャローム」に行き出したのは、聖光学院OBで阪神でもプレーした歳内君がきっかけだったそうです。彼の親御さんがやっていたお店が「シャローム」の近くだったそうで、そこで打ってから、お店でご飯を食べるという流れが始まりだったそうです。
別れ際、「夏にまた甲子園に帰ってきて、シャロームで鍛えてやりますわ」と言われていました。子どもが卒業してからも、関西に来た時には変わらず自分たちが面倒を見るという、その思いですよね。初出場の浦和実の勢いを感じ、春夏合わせて26度の出場という聖光学院の伝統も肌で感じた一戦でした。
