東洋大姫路・高畑選手のタッチプレーに隠されていた幼少期の練習とは
「全国高校野球選手権・3回戦、東洋大姫路3-2西日本短大付」(17日、甲子園球場)
夏の甲子園もベスト8がそろいました。17日は地元ということもあり、東洋大姫路の応援に向かっていたところ、偶然、丸山さんという方と再会し、一緒にアルプスで応援することになりました。
いきなり誰やねんということもあるので説明させてもらうと、東洋大姫路のショートの高畑知季(かずき)君のお父さんと昔から仲が良く、家族ぐるみのお付き合いをされている方なんです。春の近畿大会で初めてお会いした時には、やたら「うちの知季がね」と力を込めて話されていて。お父さんかなと思ったら、全然違ったわけですが、幼少期を知っているからこその関係性だなと。
この日は丸山さんの奥さんと、高畑君と同い年の娘さんも一緒に来られていて。娘さんには高畑君の昔の写真を見せてもらったり、昔話を聞いたりしていたところ、試合が始まって間もない初回のことでした。
西日本短大付が試みた二盗を阻止した際、二塁に入って走者にタッチしたのが高畑君でした。そこで丸山さんが言われるわけです。「今のタッチ見ましたか?速かったでしょ?」。確かに速かったけどキャッチャーの肩も良かったし…というプレーに見えましたが、そこはさすが、高畑君の幼少期を知る丸山さんでしたね。
「あれは、知季が小さいころから練習していたプレーなんですよ。だから速かったでしょ?」
聞くと、高畑君は小さい頃から野球マニアと言いますか、家の前の道路でタッチプレーの練習をずっとやっていたそうで。当然、土と違って道路なんでグラブもすぐにボロボロになるわけですが、道路でのタッチプレー用のグラブを用意してまで練習を繰り返していたと。その光景を見ていた丸山さんからすると、あの時の練習が、甲子園という大舞台でのプレーにつながったということへの思いですよね。
他にも、幼少期の高畑君はピッチャーのロジンがかっこいいと思って欲しがったそうです。そこでお母さん、小さい袋を縫って、小麦粉を入れたものをロジンとして渡すと、高畑君はそれを触ってシャドーピッチングをしていたと。「家に帰ってきたらポケットが小麦粉だらけでした」なんて話も聞きましたが、やっぱり、人それぞれありますよね。
高畑君はその盗塁阻止の後、同点タイムリーも打つ活躍を見せると、当然丸山さんも大喜びで。今回は高畑君のそういった話に触れる機会に恵まれましたが、大会に出てくる球児一人一人に、そしてそのご家族やご近所の方々にも思いやエピソードがあるなと。毎年ですが、甲子園はいいなと改めて思った次第です。
