2年生が目立った大会で見えた3年生の存在感とは
「全国高校野球選手権・決勝、沖縄尚学3-1日大三」(23日、甲子園球場)
毎年ではありますが、今年も本当に楽しませてもらいました。優勝した沖縄尚学のみなさん、本当におめでとうございます。そして日大三の戦いも素晴らしかったと思います。
大会を振り返ってみると、みなさん言われていることではありますが、2年生の活躍が目立ったということが一つありますね。準決勝では、沖縄尚学は末吉君、山梨学院が菰田君、日大三が根本君で県岐阜商が柴田君と、先発投手がみな2年生でしたよね。
ただ、それぞれの捕手はみな3年生でした。2年生が目立つ中でも、そこをしっかりと支えるのが上級生という関係性ですよね。優勝した沖縄尚学の末吉君と新垣有君の2年生コンビを引っ張ったのは、捕手の宜野座君でしたから。
宜野座君で言うと、リード面だけでなく、決勝では3安打2打点で全得点に絡みましたが、大会初戦では7番を打っていた選手です。2回戦でも7番で、3回戦から5番で準々決勝も5番。そして準決勝から4番で、決勝でも4番に入って攻守で大活躍です。2年生にスポットライトが当たりがちな中で、3年生の存在感であったり、チームを支える頼もしさというのも光りましたよね。
夏の大会も終わり、ここからは新チームとしてまずは秋の大会ですよね。気は早いですが、来年のセンバツ、そして夏に向かっていくことになりますが、今大会で注目を集めた選手が来年はどうなるのか。やはり、支えてもらっていた3年生が抜けてからが、真価が問われるところなのかなと思うんです。
大会を盛り上げた県岐阜商に触れさせてもらうと、準決勝後の帰り際に、3番を打っていた2年生の内山君のお父さんと偶然お会いしました。実は準々決勝で手首を痛めていたらしく、僕は分からなかったですが、最後は左腕にテーピングを施してプレーしていたそうで。インパクトの瞬間に激痛が走るような状態だったそうですが、「この悔しさを(2年生投手の)柴田君と一緒に戻ってきて返しますわ」とお父さんが言われていて。
そうやって、2年生にはやり返せる場所が残っているわけですよね。甲子園に出場した学校だけでなく、地方大会で負けた学校にも、それぞれの思いやドラマのようなものがあって、それが来年の大会にもつながってくる。そういったところも忘れることなく、またこの秋からも変わらず、高校野球を見させてもらいます。
