愛媛・新井、背水の陣で逆転V導いた!チャンピオンシップでも猛アピだ
【愛媛・新井勝也内野手】文=高田博史
後期優勝の行方は最終戦、愛媛対徳島後期8回戦(9月19日、新居浜)までもつれ込んだ。徳島は勝つか引き分けで優勝、愛媛が優勝するには勝つしかなかった。
だが、7番・二塁手として先発出場した愛媛・新井勝也は「どっちかと言えば、僕らのほうが気が楽だった」と言った。
「勝つ以外にもう方法がないっていうのは、前から分かっていたので。『やるしかない!』としか、みんな思ってなかったですね」
1点を奪い合う熱戦は、3対3の同点で七回裏、愛媛の攻撃を迎える。1死満塁のチャンスで新井が打席に入った。中前に弾き返した打球は、この試合4安打目となる勝ち越しの適時安打となった。
愛媛は八回にも3点を加え7対3。最終戦で徳島をかわす逆転優勝を成し遂げた。愛媛・河原純一監督(元巨人ほか)も「きょうは新井ですよね。終盤になっていいバッティングができるようになってきた」と話す。
“負ければ終わり”の8試合を、無敗のまま走り切った。その最初の試合となった対ソフトバンク後期3回戦(9月11日、宇和島)。九回裏に代打として登場し、引き分けに持ち込む中犠飛を放っている。翌日にも代打で2点適時三塁打を放ち、勝利に貢献した。最後の1週間は14打数7安打、打率・500で終えている。
優勝決定の歓喜のあと、ダッグアウトで薬師神績球団代表と握手を交わしていた。
「『あのソフトバンク戦、あそこから流れを作ってくれたね』って言われました。ホントうれしかったですね。僕のこと、見てくれてたんだと思って」
セレモニーまでの時間、グラウンドに出てバットを振る。その姿はスタンドからも見ることができる。
「スイングのルーティンもあるんですけど、僕の姿をお客さんに見てもらいたいなっていうのが一番です」
前期王者・香川と対戦するチャンピオンシップは、初めて経験する舞台だ。もっとみんなに新井勝也を見て欲しいと思っている。
「ガンガン攻めて、狙っていこうと思ってます。いつも通り」
やってやろうという気持ちしかない。