香川・原田「負けるイメージはなかった」3度目挑戦でつかんだグラチャン
【香川・原田宥希投手】文=高田博史
チャンピオンシップ(CS)の最優秀選手賞は、原田宥希が受賞した。第1、3、4戦で登板している。
香川が王手をかけて臨んた第4戦(2日、坊っちゃん)八回裏、2死満塁のピンチでリリーフとしてマウンドに登った。打席に愛媛の主砲・ペレス(元阪神)を迎える。
「緊張はしましたよ、すごく。打たれたらワンヒットで同点は確実、下手したら逆転という場面。絶対、取られちゃいけない場面なので。真っすぐですね。すごく打球速くて『ヤバい!』と思ってパッと見たら、多賀(一塁手・多賀亘)がハッ!って捕ってくれたんで、わあーっ!って走って」
一ゴロに打ち取り、最大のピンチを乗り切った。
「けど、負けるイメージはなかったですよ。なかったっていうか、そんなん考えてもなかったです。抑えられるもんやと思ってましたし。1球1球、丁寧に行こうって思いながら『まだあかん、まだあかん』って投げてました。(気持ちが)先にはやってしまったら、絶対に足をすくわれるし、痛い目に遭うので」
すでに第5戦の先発投手として、原田の名前が発表されていた。香川・西田真二監督(元広島)は、温存することなく原田にかけた。「原田で打たれたら仕方ない」と覚悟を決めている。
「そう言ってもらえるのはありがたいですし、打たれたら次の日、完封したらいい。目の前の試合で打たれるつもりなんか、さらさらないので」
だが、九回裏2死一、二塁と一打サヨナラのピンチに陥る。打席に立つ1番・太田直哉が4球目のスライダーを空振りした。もう1球スライダーでいける。そう思った。5球目、外角へのスライダーで空振り三振に切って取った。
「グラチャンに行きたい」と言い続けていた。CSを3度目の挑戦で勝ち上がり、ようやくグランドチャンピオンシップの舞台に立つ。
「グラチャンに出るだけじゃ意味ないので。まだ人生で日本一になったことがないんですよ。やっぱ、日本一になりたいですね。日本一になって……」
そのあと25日、ドラフト指名の瞬間を待つ。