東京五輪、大会方式見直しの論点「安心、安全の確保が大前提」 選手や観客に事前検査

 新型コロナウイルスの感染拡大で来夏に延期された東京五輪・パラリンピックを巡り、政府がまとめた大会方式の見直しに関する論点整理の全容が5日分かった。「安心、安全の確保が大前提」とし、選手や観客らへの事前のPCR検査や抗原検査の実施、選手村での検査キットや治療薬の備蓄といった医療面の対策の重要性を指摘した。

 開閉会式の簡素化、観客の削減なども検討項目に挙げたが、運営の中心を担う大会組織委員会は今秋以降、具体策を固める方針だ。

 政府がこの時期に論点を整理したのは、ワクチンの開発や供給が間に合うか不透明な中でも開催が可能になるよう、ウイルス検査態勢などの検討を急ぐ必要があると判断したためとみられる。開閉会式では密集を避けるため、入場行進の省略・簡素化、時間短縮も案として示した。ただ、各国のテレビ視聴者が注目する入場行進は開会式の重要なパートを占めるとの指摘がある。観客の検査をどこまで実施するのかとの問題もあり、見直しのハードルは高そうだ。

 無観客を含めた観客の削減も論点に挙げたが、既に組織委は公式サイトを通じた分だけでも、五輪は約448万枚、パラは約97万枚を販売済み。チケット販売枚数の減少は組織委の財源不足につながるという大きな問題を抱える。

 1万人を超える選手が大会期間中に生活する選手村については、選手の村外への外出自粛、食堂の運用、滞在期間の短縮などを検討課題とした。

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