羽生結弦SP今季ベストで2位発進も「やれることやった」日本はチーム得点で3位発進

 演技を終え、日本チームに向かって笑顔でポーズをとる羽生結弦(代表撮影)
 SP今季ベストで2位につけた羽生(代表撮影)
 笑顔を見せる(左)(代表撮影)
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 「フィギュアスケート・世界国別対抗戦」(15日、丸善インテックアリーナ大阪)

 2大会ぶりの優勝を目指す日本は、男子ショートプログラム(SP)で五輪2連覇の羽生結弦(26)=ANA=が今季ベストとなる107・12点で2位に入った。世界選手権3連覇のネーサン・チェン(米国)は109・65点で1位。平昌五輪銀メダルの宇野昌磨(23)=トヨタ自動車=は77・46点で9位だった。日本はチーム得点で3位発進した。

 試合のピリリとした雰囲気とは少し違う、ちゃめっ気たっぷりの羽生がそこにいた。演技を終えると、日本チームの応援席へ向かって“横ピース”。仲間と共に得点を聞く時は、幼少期の写真が貼られたうちわを振った。

 冒頭の2つのジャンプこそ、羽生が「成長しているなと思える」と語った大きな収穫だ。4回転サルコーは4・46点の加点が付く出来栄えで着氷。続く4回転トーループ-3回転トーループも4・18点の加点を得た。演技後半のトリプルアクセル(3回転半)は乱れたが、スピンやステップは全て最高評価のレベル4を獲得。今季ベストの得点に「自分はやれることをやったと思う」とうなずいた。

 直前に演じた宇野はジャンプでミス連発。「日本語のアナウンスだったので、聞く気はなかったけど、宇野選手の点数があまり良くなかったのが聞こえて…」。心は乱れた。それでも「自分が1番貢献できることは、自分の演技にしっかりと入り込んで、自分のペースでやること」と切り替え。「彼の力や魂を受け取りながら頑張れた」と笑った。

 22年北京五輪の出場枠を懸けて、3月の世界選手権(ストックホルム)に出場したが、コロナ禍の情勢を鑑みシーズン序盤のGPシリーズは欠場。2020年12月に今季初めて出場した日本選手権で吐露した「複雑」な思いは今も持ち続けているが、今大会はあえて出場する道を選んだ。

 3位だったスウェーデンからの帰国時、がらんとした空港に衝撃を受けたことが、その決断を後押しする1つになったという。自粛をし、自粛を促すことが何より大切だと思っていたが、サポートを受けるANAの職員から「勇気、力をもらいました」と声を掛けられ、思った。100点満点の演技だけが全てではない。自分が滑ることで「何かしらの力になれるんじゃないか」と。

 ライブ会場さながらに響いた大きな手拍子が、何よりの証明。世界選手権でミスが出たフリーへ「悔しさやリベンジしたい気持ちは少なからずある。その気持ちも認めて、プラスアルファ自分が成長したなと思える演技ができるように」。込める思いは変わらない。

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