朝乃山、三段目転落へ キャバクラ通い判明で6場所出場停止、臨時理事会で謝罪

 朝乃山
 6場所出場停止などの処分が決まった後、高砂部屋に戻った朝乃山
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 日本相撲協会が11日、臨時理事会を開き、夏場所前に新型コロナウイルス対策ガイドライン違反となるキャバクラ通いが判明した大関朝乃山(27)=高砂=の処分を協議し、過去最長、6場所出場停止の厳罰を下した。6カ月の報酬減額50%も決めた。2021年初場所から外出禁止期間に計10回もキャバクラで遊行。協会の調査に当初、虚偽報告したことも悪質と判断された。復帰は22年名古屋場所で三段目への降下が濃厚だ。本人が臨時理事会で直接、謝罪した。また先代師匠で元大関朝潮の錦島親方(65)は規則違反の外食を繰り返し、協会を退職した。

 愚行の代償はあまりに大きかった。朝乃山は名古屋場所(7月4日初日、ドルフィンズアリーナ)から6場所連続の出場停止。過去最大、丸1年の処罰。復帰予定の来年名古屋場所は元大関が何と三段目転落という屈辱から出直すことになる。

 尾車コンプライアンス部長(元大関琴風)によれば、理事会に呼ばれ、処分を通告された朝乃山は「日本相撲協会と相撲ファンにご迷惑をかけました。大変申し訳ございません」と謝罪した。

 協会の調査によると、規則破りのキャバクラ通いは21年初場所前から始まり、春場所前、場所中、夏場所前と計10回に及んだ。その他、20年11月場所前など会食も3回あった。

 さらに悪質と判断されたのが虚偽報告。キャバクラ通いが「週刊文春」で報じられる直前、同行したスポーツ紙記者と口裏を合わせ、治療目的だったと虚構の話を申し立てた。

 スマホに残っていた同記者とのやりとりを消去し証拠隠滅まで行った。当初、協会の調査に頑として否定。最後は事実関係を突き付けられ、全面降伏したが「潔さといった大関に求められる品格や責任の重大さに対する自覚がみじんも感じられない。事実をねじ曲げようとした態度への非難が多いのは当然」と厳しく断じられた。

 夏場所を12日目から謹慎休場し13日目の5月21日に引退届を提出した。真しに反省・悔悟は見せているものの、大関という協会看板を背負いながらの裏切り行為。情状酌量の余地はなかった。昨年7月場所中、場所前、規則違反をした阿炎(当時幕内)は3場所出場停止で同じく虚偽報告をしていた。朝乃山に下った“阿炎の倍”処分に反対意見はなかった。

 引退届は協会預かりとなり、次に何か問題を起こせば即受理となる。理事会で八角理事長(元横綱北勝海)から「うそをつくのが一番いかん」と叱責された。今後は部屋で謹慎し、稽古を続け自分を見直す日々となる。

 地元富山市から協会に「寛大な処分」を求めた嘆願書と1万1549人もの署名が届いた。首の皮一枚つながった富山のスターの復帰を地元は待っている。尾車部長は「この重さをかみしめてほしい」と朝乃山に訴えた。

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