鍵山優真 衝撃の自己ベスト108・77点でSP首位発進 絶対王者マリニンに14.72点差「自分が一番かっこいい」
「フィギュアスケート・GPファイナル」(4日、IGアリーナ)
男子ショートプログラム(SP)は鍵山優真(22)=オリエンタルバイオ・中京大=が自己ベストの108・77点で首位に立ち、初優勝に前進した。佐藤駿(エームサービス・明大)が98・06点で2位。ペアSPで3年ぶり2度目の頂点を目指す三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)は77・32点で首位発進した。日本開催は8年ぶり6度目。女子の坂本花織(シスメックス)ら4選手は5日のSPに向けて調整した。
“鍵山ワールド”と化した銀盤の上で右拳を振りかざした。鍵山が自己ベストを更新する完璧な演技。絶対王者のマリニンには14・72点差をつけて首位スタートを切った。
「自己ベストを更新できたのがすごくうれしい。今日はしっかりと自分に集中できたのが一番自信になった」
まさにノリノリだった。4回転-3回転の連続トーループを皮切りに、自信に満ちあふれた表情で舞う。全てのジャンプを決めて観客を引き込み、「自分が一番楽しい演技をするのを目標にした」と笑った。
22年北京五輪以来3年ぶりの自己ベスト更新。「高い高い壁に阻まれてきた」と、ノーミス演技をしても超えられない壁に悩んだ。しかし「まだ高いところを目指せる伸びしろを感じた」。ミラノ五輪へ向かう道の途中で確かな手応えを得た。
不安がのぞくと、周りを気にしてしまうことが課題だった。その中で導き出した答えは「大胆にいくこと」。この日も「ヘアセットしてる時に良い感じじゃん!って。今日は自分が一番かっこいいというマインドでいった」。照れ笑いしながらも、自分にスポットライトを当て、思い切り表現した。
キスアンドクライでは喜びのあまり小躍りするほどだったが、「喜ぶのはいったん終わり」と地に足をつけている。中1日で臨むフリー。「せっかくつかんだチャンス。逃さないように自分に打ち勝って頑張りたい」。頂点を獲り、全日本、五輪へと突き進む。
◆ミラノ・コルティナ五輪代表選考 各3枠の男子と女子は全日本選手権の優勝者が自動的に代表入り。2人目は全日本2、3位やGPファイナルの日本勢上位2人、全日本終了時点で国際スケート連盟(ISU)公認のシーズン最高得点の上位3人から選ぶ。3人目は全日本終了時の世界ランキングや日本スケート連盟独自の国際大会ポイント上位3人などを選考対象に加える。2枠のペアは全日本1、2位と全日本終了時の世界ランキング、シーズン最高得点の最上位から総合的な判断で選出。ファイナル後に日本の五輪団体出場が決まった場合、アイスダンスはペアと同じ基準を適用する。
◆GPファイナル 1995~96年シーズンに始まったGPシリーズで、全6大会(今年はフランス、中国、カナダ、日本、アメリカ、フィンランド)のうち出場2戦の総合成績上位6人、6組で争う。日本開催は2017年名古屋大会以来、8年ぶり6度目。日本勢の最多優勝は男子で2013年から4連覇した羽生結弦と、女子を05、08、12~13年と4度制した浅田真央。22年は男子の宇野昌磨、女子の三原舞依(シスメックス)、ペア三浦、木原組が頂点に立ち、日本初の3種目制覇を果たした。





