安田祐香が通算2勝目 河本、中村との雨中のPO制した! 死闘4ホール目で決着「自分はまだまだ」
「女子ゴルフ・富士フイルム・スタジオアリス女子・最終日」(13日、石坂GC=パー72)
安田祐香(24)=NEC=が4ホールに及ぶ雨中のプレーオフを制し、昨年9月以来の通算2勝目を挙げた。通算9アンダーで並んだ河本結(26)=リコー、ルーキーの中村心(19)=ヤマエグループHD=とのPOは死闘。中村が最初のホールで脱落した後は河本との一騎打ちが続いたが、最後に相手の自滅を誘った。首位でスタートした入谷響(19)=加賀電子=はPO進出に1打届かず4位だった。
18番パー4での雨中のプレーオフ。2ホール目と4ホール目、安田のドライバーショットは左バンカーに落ちたが、本人は少しばかり自信があった。5番ユーティリティーでグリーンを狙う。オフのタイ合宿で徹底的に練習した状況だ。2ホール目は雨で砂が泥のようになっていたこともあり不発だったが、「今度こそは」と臨んだ4ホール目は残り174ヤードからピンそば2メートルについた。粘る河本に引導を渡すスーパーショットだった。
パーセーブして勝ちが決まった瞬間、ようやく大きな笑顔を見せた。プレー中は、ほとんど表情を変えない“クールビューティー”。「うれしい時もあるけれど、自然にこうなっている」。ふだの生活でも「怒るのは無駄」と考え、ゴルフでミスショットが出ると「怒るよりも練習しよう、と切り替える」という。
ジュニア時代から天才少女と呼ばれた。2019年のプロテストに一発合格したが、その後はけがに悩まされ、初優勝まで5年かかった。その間、ミレニアム世代と呼ばれる2000年度生まれで同学年の古江彩佳、西村優菜、吉田優利が国内で実績を積み、米ツアーに向かった。兵庫・滝川二高のクラスメートだった古江はメジャータイトルも取った。
「(ライバルに比べ)自分はまだまだと思っている。メジャーには挑戦したいが、日本ツアーをもっと盛り上げられるよう頑張りたい。今は(海外転出は)考えていない」。遅れてきた天才が、いよいよ国内ツアーの主役になる。
◆安田 祐香(やすだ・ゆうか)2000年12月24日、神戸市出身。姉の影響で7歳からゴルフを始め、小学3年時に古閑美保、上田桃子らを輩出した坂田塾に入門。滝川二高では古江彩佳と同級生で、全国高校ゴルフ団体2連覇。17年日本女子アマ優勝、19年アジアパシフィック女子アマで日本人初の優勝。同年にプロテスト合格し、23年に初シードを獲得。24年9月のミヤギテレビ杯ダンロップ女子でツアー初優勝。NEC所属。163センチ、53キロ。