【100歳プロ内田棟 2】2度がん克服!トレーニングで年60ラウンド

 今年は腰痛の影響もあってコースでのラウンドを控えている内田プロだが、数年前までは年間60ラウンドをこなしていた。軽井沢のゴルフ場は冬の時期はクローズになるため、年間でゴルフができる期間は9カ月ほど。週に1~2回はラウンドしている計算になる。

 “付添人”として常に一緒にラウンドする長女のとも子さん(53)は「ドライバーの飛距離は180ヤードぐらいでしょうか。以前と比べると、かなり飛距離は落ちました。でも、ボールは本当に曲がらないですね。いつも真っすぐフェアウエーに飛んでいくので、ボールを探したりということはないんです」と教えてくれた。

 最新のデータでは日本には100歳以上の人は約6万5000人いるそうだが、元気にゴルフができる人は果たして何人いるだろうか。その一人が内田プロというわけだが、本人に秘けつを尋ねると「トレーニングはとても大切ですよ。特にゴルフは足腰がしっかりしていないとできませんから」と話す。

 毎日、自宅でのトレーニングは欠かさない。エアロバイクをこいだり、足踏み器具を使って下半身の筋肉が衰えないように気をつけている。日常生活で自宅の階段を上り下りすることも足腰の鍛錬につながっているという。股関節を開いたり閉じたりする器具で体の柔軟性を保つことも心掛けている。

 これまで内田プロは2度、がんに見舞われている。1度目は66歳の時に膀胱(ぼうこう)がんで手術を受けた。10年後に患部が癒着して2度目の手術。さらに94歳の時に直腸がんが見つかり、14時間に及ぶ開腹手術を受けた。それでも2年後には復帰し、日本プロゴールドシニア選手権の関東予選に出場した。

 持って生まれた体の強さももちろんあるだろう。だが、それだけではない。地道にトレーニングを積み重ねたことが2度の大病を乗り越え、プロゴルファーとして100歳を迎えることにつながった。そして、もう一つ、内田プロを語る上でキーワードとなるのが「食事」だ。次回は食生活に迫る。

  ◇  ◇

 内田 棟(うちだ・むなぎ)1916年(大正5年)10月9日、長野県軽井沢出身。10歳の時に旧軽井沢GCでキャディーのアルバイトを始めたのがゴルフとの出合い。71年、55歳の時にプロテストに合格。トーナメントプロとして活躍する一方で、コース設計やレッスン活動もこなす。主な戦績は73年の日本プロシニア3位。ホールインワンは5度。息子は初代シニア賞金王の内田袈裟彦プロ(09年死去)。現在は長野県御代田町で妻・政子さん、長女・とも子さんと3人暮らし。

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