全米オープン15歳ハマーは勉強も熱心
アメリカのゴルファーはジュニアも含めて4~8月が主な試合の季節となりますが、世界中に放映される4月のマスターズの後は、6月の「USオープン」、8月の「USアマチュア」がBIGな試合となります。その地方予選会なども4月から始まります。
今年のUSオープンはシアトルのChambers Bay(チェンバーズベイ)GCで開催されます。このコース、7月の「The Open(全英オープン)」と間違えてしまうような、アメリカにも本格的リンクスがあったの!と驚いてしまうコースです。確かにどこからグリーンなの?と聞かないとボールマーカーを置いて良いのやら…(笑い)。さすがに主催者のUSGAは、グリーンとフェアウエーの境にはドット印が付いていると説明しています。
リンクスはポイントで狙ったところに打ち、その後、ボールのランニングがプレーヤーが予想している場所に行くか、行かないかで大きく変わって来る難しいコースです。ランニングアプローチをうまく使い、ボールが、変化している傾斜をどのように転がっていくのかをイメージすること。これは、タイガー・ウッズが小学生のころから極めて優れていたと言われています。しかも海沿いで風を読み切らないとスコアメークできない、難易度の高いコース。
そんな難コースに、世界75カ国から選手が集まり、賞金総額9億ドルという大会。何といってもプロ、アマ、年齢制限なし!というのもこの大会の素晴らしさ。だれでも参加できるけれど、本戦までの道のりも厳しいのです。
総勢156人中76人は参加資格を獲得しているプレーヤーです。(1)USオープン優勝者10年間、(2)マスターズ、全英オープン、全米プロ優勝者5年間、(3)世界ランキング60位以内、(4)前年度USアマ1位&2位、(5)世界トップランキング1位アマ、(6)前年度USオープン10位以内…などなどの資格保持者です。
しかし、残る80人が大変です。5月に開催される全米111カ所での地方予選。10カ所の地域予選。これには、現役や以前優勝者だったプロたちまでぞろぞろ参戦しています。有名なプロも予選通過できないような厳しい試合です。だから、石川遼選手がオハイオ州コロンバスで8アンダーで通過、とても良かったです。その他、日本、イングランドでの予選会での通過者など。今年は、松山英樹、石川の他に、藤田寛之、川村昌弘、薗田峻輔も加わり初日から楽しめそうです。
156人中、アマチュアは16人。その中に大会史上3番目の最年少15歳のCole・Hammer(コール・ハマー)が出ています。両親はともにクラチャン経験のゴルファーで、ハマーは2歳くらいからプラスチックのクラブで遊んでいたとか。インタビューで「学校は8時30分から3時まで。それからゴルフの練習、学校はとても大切ですから!」とはっきりと返事。
学校の友人たちが遊んでいることを、同じようにやりたいと思わないの?と聞かれ「ゲームは興味ないしゴルフが好きだから」。これはアメリカのゴルフのうまいジュニアの同じコメントなのです。だから、ゴルフのうまいカレッジゴルファーになるために勉強は欠かせないし、ゴルフの腕も磨く必要があるので、遊んでいる時間はないのが現実です。
世界の一流プロと一緒に試合をする十代の若手ジュニア選手。素晴らしい試合で大きな経験とモチベーションがお土産になること間違いなしです。
松山選手は、今回も優勝候補の中にいます。「勝てれば何もいらない!」のあの言葉、楽しみにしています。石川選手も「頭を使って攻める!」とコメント。良いですね!日本人選手、予選通過して頑張って下さい!
(USLPGAインストラクター・今井貞美)