横田滋さん死去 87歳、娘・めぐみさんとの再会ついにかなわず…
北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=失踪当時(13)=の父で、拉致被害者家族会初代代表の横田滋さんが5日、老衰のため川崎市の病院で死去した。87歳。葬儀・告別式は近親者のみで行い、後日、「お別れの会」を予定。妻早紀江さん(84)は「めぐみに会えることなく力尽き、今は気持ちの整理がつかない状態です」とコメントを出した。
日銀新潟支店に勤務していた1977年11月15日、中1だっためぐみさんが下校中に失踪した。97年、亡命工作員の証言などで北朝鮮に拉致された疑いが浮上。拉致被害者家族会の初代代表に就任し、早紀江さんと救出運動の先頭に立ち続けた。
滋さんは18年4月に体調を崩し、入院が続いていた。昨年11月に会見した早紀江さんによると、衰弱し思うように言葉が出ない状態だったが、めぐみさんの写真をみせると「がんばる」と口を動かしていたという。
安倍晋三首相は「(めぐみさんの帰国を)実現できなかったことは断腸の思い。本当に申し訳ない」と述べた。