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長男が語った手塚治虫さんの葛藤 父の“問題作”「ばるぼら」を手塚眞監督が初映画化

 11月20日公開の映画「ばるぼら」をPRした手塚眞監督=大阪市内
 手塚治虫さん
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 日本を代表する漫画家の故・手塚治虫さんの長男で、映画監督の手塚眞氏(59)が17日、メガホンを執った稲垣吾郎(46)、二階堂ふみ(26)のW主演映画「ばるぼら」(11月20日公開)の取材会を大阪市内で開いた。治虫さんの漫画を、生誕90周年記念作品として初めて映画化。70年代に描かれた父の“問題作”を、鉄腕アトムが生まれた21世紀によみがえらせた思いを語った。

 「父がもし作品を見たら…、負けず嫌いだから『自分がやれば、もっと面白くなる!』と言うはず」。漫画界の巨人・手塚治虫さんの、親族だからこそ分かる感覚を、手塚監督は冗談交じりに語った。

 「ばるぼら」は73年から74年まで、小学館の青年漫画誌「ビッグコミック」に連載された、治虫さんとしては異色の“大人向け”の作品。異常性欲に悩まされる小説家・美倉洋介(稲垣)が、ホームレスのような大酒飲みの少女・ばるぼら(二階堂)と出会い、愛と苦悩に満ちながら破滅を迎える物語。当時、12歳ながらリアルタイムで読んでいたといい「鉄腕アトムもばるぼらも、同じように読んでいた。むしろ難しさが好奇心をあおっていた」と振り返った。

 手塚監督が治虫さんの作品を手がけるのは、今作が初めて。「街を舞台にした、エロティックな大人向きの作品をやってみたかった。そういう映画をつくりたいと探していた時、たまたまこの作品だった」と、映画化の理由を説明した。

 当時、主人公のモデルは治虫さん本人ともうわさされた問題作。当時の治虫さんは、心の内に葛藤を抱えていたという。「子ども漫画が飽きられてきて、周りにも大人の漫画が増えて、何を描こうと悩みを持っていた。それが作品として形になったと思う」。今作を描くことで迷いを振り切り、「ブラックジャック」などの名作を生み出す転機になったと指摘した。

 過去に一度、治虫さんを演者として自身の作品に出演させたことがある。その際は、「自分には向いていない。お前はえらい」と声をかけられたという。「父は品のある俳優、美しい俳優が好きでした」と懐かしみつつ、本作の稲垣と二階堂の演技に「自分が生きているつらさとか、立場の悲しさや孤独感をさりげないしぐさや表情の中に出せた。深みのある芝居になったと思います」と、父の思いを投影させた。

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