倖田來未に“妥協”なし「エロかっこいい」健在 25周年イヤーにさらなる進化遂げる歌姫

 歌手の倖田來未(41)が17日に2年ぶりのアルバム「UNICORN」を発売する。18歳のデビューから多数のヒット曲を世に送り出し、今年12月からデビュー25周年イヤーに突入。四半世紀の歌手生活で結婚、出産、育児も経験し、音楽活動へ好影響を与えている。四十路(よそじ)を超えてもなお、自身の代名詞「エロかっこいい」を体現し、さらなる進化を遂げている歌姫に迫った。

 倖田は「キューティーハニー」「め組のひと」「WON’T BE LONG」など、数々の名曲をヒットさせてきた“カバーの女王”だ。

 「カバー曲にすごく助けられたし、倖田來未を広く知ってもらえたので、カバー曲は大事にしている音楽活動の一つ。自分の節目にはいつもカバー曲があった」と語るように、切り離せない物として今作でも最重視した。1年かけてアレンジし、収録されたカバー曲は11曲中5曲となったが「おいしい物(名曲)をもっとおいしくするのは難しい」と苦労を極めた。

 沢田研二の70年代の名曲「TOKIO」のカバー。同曲の制作秘話を「元々は原曲に沿ってアレンジしたけど、カラオケみたいに聞こえて嫌だった。サファリパークの帰りに家族で車に乗っていて、車の中で音源を確認していた。横で私が『違うねんな~』と旦那に相談していて、70年代から見た時の2024年東京をイメージして『ネオTOKYO』をテーマにしたらどうかと。リズムをハネさせたら面白いんじゃないということで、旦那に頼んでアレンジしてもらった」と明かす。

 夫婦合作で“倖田ミュージック”が生まれている。夫でロックバンド・BACK-ONのKENJI03(別名義Hi-yunk)が複数の楽曲でプロデューサーとして関わっている。倖田は「24時間、倖田來未のことを考えている。ライブを見に行っても自分ならこうするなと考えて、夫と共有して、切磋琢磨している。夫が隣でビートを作ってくれて、スタジオに降りて、隣でディレクションできるので、ある意味、素早く簡潔に作品につながるから、すごく助かる」と感謝する。

 四半世紀の歌手活動で“継続”の大切さをかみしめる。昔はボイストレーニングをしておらず、我流で歌い続けた結果、2015年頃に1~2曲で声がかれるようになってしまったという。これを機にボイトレを開始し、地道に努力してきた。「今は理想としている音色を出せるようになって、歌の振り幅が広がった。1日2公演6時間近く歌っても、毎日歌っても声がかれない。年齢を重ねても筋トレと一緒で成長するんだなと実感している」と現在の歌声に自信を持っている。

 歌姫の辞書に「妥協」の二文字は存在せず、「まだ成長過程。まだまだうまくなれる」と上を目指す。「息子に『倖田來未のライブは楽しいな』『おかんかっこええな』と思ってもらえるようなパフォーマンスをしようというのは常に心がけている」と原動力を明かす倖田は、20日から全国ツアーへ向かう。12月に25周年イヤーを迎えるが、「先輩アーティストのようにコツコツと頑張って行きたい。ボイトレもパックも毎日して」と気合。地道な努力の先に新たな未来を描く。

 ◇倖田來未(こうだ・くみ)1982年11月13日生まれ、京都府出身。2000年11月に全米デビューし、同年12月に日本デビュー。04年に「キューティーハニー」が大ヒットし、「エロかっこいい」を確立しブレークした。05、06年発売のベストアルバムは、200万枚突破。05年に日本レコード大賞を受賞し、NHK紅白歌合戦に初出場。私生活では、11年12月にロックバンド・BACK-ONのKENJI03と結婚。12年7月に第1子男児を出産した。

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