映画監督・原田眞人さん死去 役所広司悲痛「こんなに早く逝かれるとは」今月3日に見舞い 明かした最後の別れ

 映画「わが母の記」でモントリオール世界映画祭の審査員特別グランプリを受賞した役所広司(左)と原田眞人監督=11年9月
 映画「クライマーズ・ハイ」(左から)高嶋政宏、堺雅人、堤真一、原田眞人監督、尾野真千子=08年7月
 映画「ラストサムライ」に出演する原田眞人監督(後列中央)。左から渡辺謙、トム・クルーズ、池松壮亮、真田広之=03年8月
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 映画「クライマーズ・ハイ」(2008年)などでブルーリボン作品賞を3度受賞した日本を代表する映画監督の原田眞人(はらだ・まさと)さんが8日午前0時39分に都内の病院で死去していたことが13日、分かった。76歳。静岡県出身。故人の遺志により、葬儀は近親者のみで行う。後日、お別れの会を開く予定。8作品に出演した俳優・役所広司(69)はこの日、訃報を受け、最後の別れを振り返って盟友を追悼した。

 役所は「今月1日にご家族から連絡を頂き、3日の日に監督を訪ねました。昔話に花が咲き、病室を出てコーヒーを飲みに行きました。原田組のスタッフが合流し、和やかな時間を過ごせました。最後に『また、やろう』と監督から声をかけて頂き、『お待ちしてます』と答えてその日はお別れしました」と、最後の別れを明かした。

 それから5日後の悲報に「こんなに早く逝かれるとは、驚きました。でも、最後にご挨拶が出来て良かったです。ご冥福をお祈りいたします。寂しい年末になりそうです」と悲しみ、悼んだ。

 原田さんは1973年から米ロサンゼルスを拠点に映画評論家として活動し、79年に「さらば映画の友よ インディアンサマー」で映画監督としてデビューした。

 95年、その後20年以上も組むことになる役所主演の「KAMIKAZE TAXI」を発表。「トラブルシューター」、ブルーリボン賞で作品賞、監督賞などを受賞した「バウンス ko GALS」と続いた3作で、日本社会の闇をリアルな会話や巧みなストーリーテリングを駆使して鮮烈に描き、映画監督としての地位を確立した。

 「金融腐蝕列島 呪縛」、「突入せよ!あさま山荘事件」、「クライマーズ・ハイ」など社会派の大作を手がけ、「わが母の記」でモントリオール世界映画祭審査員特別グランプリを受賞した。

 2015年の「駆込み女と駆出し男」から時代劇に進出。「関ヶ原」、「燃えよ剣」、「ヘルドッグス」で岡田准一と組んだ。「検察側の罪人」は木村拓哉が主演し、二宮和也が共演。安藤サクラと山田涼介が姉弟役を演じた23年の「BAD LANDS バッド・ランズ」が遺作となった。

 俳優としてもトム・クルーズ主演の「ラストサムライ」(03年)で大役を演じ、ハリウッドデビューを果たしている。

 原田さんは最後となった8月26日のブログで、10年以上にわたって降圧剤を処方されていたことを明かし、高血圧を患っていたことをうかがわせる一方で、今夏に2本の脚本を書き上げたことやワークショップの予定もつづっていた。仕事への意欲は健在だったが、新作はかなわず。

 息子で俳優、編集技師の原田遊人はインスタグラムで「48年間俺の父でいてくれてありがとう 史上最高の父親でした」と感謝をつづった。

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