山時聡真20歳 実の母とオーディションでつかんだ「代表作」 菅野美穂とW主演映画「90メートル」
俳優の山時聡真(20)が飛躍の時を迎えている。公開中の映画「90メートル」では菅野美穂(48)とW主演を務めた。「代表作」と意気込む今作では、難病を抱えるシングルマザーを支える息子を熱演。役への思いと、20歳の等身大の言葉を聞いた。
役者人生の大きな節目にいる。山時は「90メートル」が「代表作と言えます」ときっぱり宣言。「ありがたいことにこの映画でたくさん取材をさせていただいている」と照れながら、「徐々に言葉を紡いでいっています」と真剣な表情を見せた。
今作は難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患った母親(菅野)と、その看病を続ける高校3年生の息子(山時)による、親子の絆を描く感涙物語。テーマに合わせ、オーディションは一風変わったものだった。
監督やプロデューサーの前で、実の母に10分ほどスピーカーで通話。母には「仕事が順調になってきて、どう思ってるの?」と少し攻めた質問をし、「頑張ってるのはうれしいけど、ちょっと寂しい思いもある」と率直な気持ちを打ち明けられた。
「そう思ってたのを初めて知った」と驚きもあったが、慣れ親しんだやりとりで「母の安心感はあって、変に緊張したり不安なことはなかった」と等身大の姿を見せられた。合格の連絡は「すぐに来て、驚きでした」。母子でつかんだ大役だった。
撮影ではW主演の菅野の演技力や切り替え力に引き込まれた。「休みの時はコーヒーを飲みながら話したり、大笑いもしていてすごく気さくな方」だったが、一度撮影に入ると「そこにお母さんがいて。世界観の変わりように驚きました」。自身も切り替えは得意な方だが、「菅野さんにより手助けをしていただいた」と映画でも“母子”の絆を強めた。
自身は5歳で芸能活動を開始。2023年にスタジオジブリの映画「君たちはどう生きるか」の主人公の声優を務め、一躍注目を集めた。当時、宮崎駿監督からの直接のアドバイスは「自由にやっていいよ。思うがままにやりなさい」と言われたのみ。「プレッシャーを与えないって意味で言ってくれたんだと思います。すごいキャストの中にポツンと入ってしまったので優しさだったのかな」と、模索しながら演技力を磨いてきた。
現在は大学生。外国語の授業では韓国語を選択するなど、学業に励んでいる。今後は「体を動かすのが好きなので、アクションもチャレンジしたい」と掲げつつ、「日本アカデミー賞や、新人賞を目指したい」とも思い描いた。アカデミー賞では「90メートル」での受賞も「もちろん」狙っている。
座右の銘は「ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン」。小学校の校長先生が大切にしていた言葉で、自身も人生でさまざまなスポーツに親しんできたことから「その言葉が大事だなと思った」と心に染みたという。それは役者にも通じている。根本を大切に、山時の代表作は、これからも増えていくに違いない。
◇山時聡真(さんとき・そうま)2005年6月6日生まれ。東京都出身。原宿で2人の姉とともにスカウトされたことをきっかけに、5歳で芸能活動を始めた。23年にスタジオジブリの映画「君たちはどう生きるか」で主人公の声優を務めた。’25年は日本テレビ系ドラマ「ちはやふる-めぐり-」に出演。趣味はマジック、YouTube鑑賞、ハーモニカ。特技はバスケットボールと空手(黒帯)、ボルダリング。好きな食べ物はチーズ、だし巻き、おすしの「欲張りセット」。176センチ。
