【半崎美子】自分の音楽を肯定してくれた「情熱大陸」

 「土の中からこんにちは=4=」

 誰もが知っているあのテーマソングに乗せて自分で書いた名前の文字が現れた瞬間、これまでの17年の様々な自分の活動の断片が蘇った。

 「情熱大陸」(3月11日放送)という焦がれ続けた番組で、私の特集をして頂いた事は、これまでの自分の音楽人生をどこまでも肯定してくれる出来事でした。

 「苦労を楽しむ才能」と、番組の中で語ってくれたナレーションには、自分の事でありながら、なるほど!と頷いてしまった。私の、行き当たりばったりの行動習性を才能という言葉に置き換えてもらえるならば、これまでの数々の奇行も浮かばれます。

 人のライブを見たこともなく、音楽に関する知識が皆無の状態でも、歌手になる!と声高に宣言し続け、鼻歌で曲を作っていた当時。バンドの編成がどういうものなのか、楽器の事も、音楽用語も、イントロの意味すら知りませんでした。

 イントロ(前奏)、アウトロ(後奏)の間にある間奏を中トロだと思っていた私。楽器を演奏している人を見たら、迷いなく声をかけて私の歌の演奏をして下さいとお願いしていた私。何の楽器なのかもわからずに声をかけて、リハーサルの日にベースの人だと知り、ベースだけだとどうしようもないね、、という事が判明したり。

 当時を振り返ると、誰よりミュージシャンの方々が一番びっくりしていたはずです。今はライブの中で、ピアノ弾き語りで歌う事もありますが、もちろん譜面も読めずコードもわからずなのでなんとなく弾いています。

 音楽の事だけ考えて生きてきた17年、それ以外の事はドブに捨ててもいいと思っていた日々。情熱だけでここまできたと言えるかもしれません。そういった意味でも、この番組で取り上げてもらえた事は私にとって救いでもあり、何かを追い続けている人達の情熱にさらに火をつけるようなものであれば、そんなに嬉しい事はないです。

 ◆半崎美子(はんざき・よしこ)1980年12月13日生まれ、札幌市出身。札幌大学を1年で中退、歌手を目指して上京。パン屋で住み込みアルバイトをしながら音楽活動を続けた。芸能関係者にだまされた経験からレコード会社や事務所に所属せず、モールに飛び込み営業をかけるスタイルで場数を踏む。“ショッピングモールの歌姫”“泣かせ歌の女王”と称される。

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