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【大橋未歩アナ】特別な五輪の熱量…パラが受け継いだ先に新しい世界が

 「大橋未歩のたまたまオリパラ!」

 人気フリーアナウンサー・大橋未歩さんのコラム「大橋未歩のたまたまオリパラ!」は【東京五輪・特別版】としてお送りします。テレビ東京時代にはアテネ、北京、ロンドン五輪を取材。2013年に脳梗塞を経験した後はパラリンピックへの関心を高め、18年にパラ卓球アンバサダー就任、19年から「東京2020パラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇親会」メンバー、パラ応援大使としても活躍してきた大橋さんがコロナ禍の五輪、そしてそれを引き継ぐパラリンピックの未来を語ります。

  ◇  ◇

 東京オリンピックが開幕し、選手たちが連日躍動している。メダリストインタビューでは、国民を慮りながら東京2020が開催されたことへの感謝を真っ先に述べる姿に胸を打たれる。開催か中止かと日本社会を分断した線を瞬時に溶かすような神々しさだ。

 コロナさえなければ満員の会場から万雷の拍手が送られていたことだろう。金メダルという目標とともに満員の会場で試合をすることを夢見ていたアスリートもたくさんいた。日本卓球界史上初の金メダルを獲得した卓球でさえ、数年前までは、録音した歓声音声を練習場で流していた。歓声に慣れるためだ。特に多くのパラスポーツは知名度がまだ低く、自分の人生を変えてくれた競技を普及するという使命感を抱いている選手も多い。その足がかりとして東京2020に賭けていた選手もたくさんいたのだ。

 しかし、その夢を既に成し遂げた競技が存在する。試合を有料化した上で、立ち見が出るほどの集客に成功したブラインドサッカーだ。パラリンピックも注目されるに違いないが、東京2020後に灯った火をどう繋いでいくのかが課題だ。日本ブラインドサッカー協会専務理事兼事務局長の松崎英吾(まつざき・えいご)さんに話を聞いた。

 マスコミから日本ブラインドサッカー協会へ。「パラスポーツでお金を稼ぎながら生活するなんて無理だからやめた方がいい」。業界をよく知る先輩からも言われた。

 松崎さんは、障がい者を障がい者たらしめているのは社会であり、マジョリティ側の意識を変える必要性を感じていた。積極的にパラスポーツの体験会を開催するが「障がい者スポーツは障がい者のためのスポーツなのに、何故健常者に体験してもらうために予算を使うのか」「こんなことをしているからブラインドサッカーは勝てないんだ」様々な声もあった。その潮目が変わったのが2014年の世界選手権。ブラインドサッカーにおいて初のアジア開催を日本に招致し、試合を有料化した上に会場を満員にしたのだ。

 成功の背景には確固たる理念があった。お金を払ってでも観たいと思わせる価値を提供すること。観戦体験をサービスと捉えたのだ。そのサービスを最大化するために、試合会場を協会でプロデュースしたのだった。

 東京2020ではNHKだけでなく民放地上波でもパラリンピックが一部生中継される予定だ。この熱がパラでも引き継がれた先に、新しい世界が待っている気がしてならない。

 ◆大橋未歩(おおはし・みほ)1978年8月15日、神戸市出身。フリーアナウンサー。2002年入社のテレビ東京時代にアテネ、北京、ロンドン五輪を取材。18年にパラ卓球アンバサダー就任。19年から「東京2020パラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会」メンバー、パラ応援大使でも活躍。

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