新野新 「ぬかるみの世界」いつ復活してもいい…鶴瓶がその気になったら

 笑福亭鶴瓶(67)と放送作家の新野新(84)が繰り広げたラジオ大阪の「鶴瓶・新野のぬかるみの世界」は1989年に終了した。以後、単発的に復活したことはあるものの、熱心なリスナーである「ぬかる民」からは長期的な復活を望む声が根強い。昭和の伝説的ラジオ番組が復活する日は来るのか。新野と、当時の岩本重義ディレクターの考えを尋ねた。=敬称略=

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 -「ぬかるみの世界」は1989年に放送終了。今年で30年となる。番組はインターネット上で単発的に復活したことはあったが、ぬかる民の中には長期的な復活を望む声もある。

 新野 鶴瓶がその気になったらいつでもいい。鶴瓶にとってもええことやろうし。鶴瓶は“あいつら仕組んだなあ…”とか思うかな。あいつは忙しいんかな…オレはええけど。オレは時間、余ってるで。ラジオでしゃべるのに困るオレじゃないやん。鶴瓶、困るんじゃないかなあ。鶴瓶にそんな気合があるんなら、いっぺん出よかって気があるんやったら…出ようと思うなら…どうやろな。嫌やと思うかな。その気があいつにあるかな。これ、実現したらギャラ高いで。最後やからね。「ぬかるみ」をやってたときの選曲を思い出す。深夜放送で選曲するのはかなりのことやったんよ。鶴瓶がやってた。鶴瓶は日本のスターやないですか。スターの考え方は分からんよ。三枝は(スター)ちゃうねん。自分で降りてるねん。鶴瓶、さんま…自分の落としどころをどない思ってるのか考えつかん。鶴瓶はけっこうねえ、当時は普通の芸人さんやったんよ。お金を使いやって言うた時期もあったんよ。生きたお金を使えよって。

 -番組はリスナーからの投書で成り立った。読み上げる際に流れるBGMは鶴瓶が選曲。岩本によると、鶴瓶は自身の膨大なレコードコレクションの中から選び、見つからない時はラジオ大阪が持つ資料から選んだ。

 新野 あいつがね、絶対どっかから何かあったんや…ぼくはまあええわ、ふーんと思ってたけど。

 -新野は今年、84歳。肌のツヤは良く、まだまだ元気だ。今後、やってみたいことを聞いた。もしかして、再婚とか。

 新野 再婚?そんなもん絶対嫌やわ。結婚というものは嫌や。夢…生きているうちに見ることやろねえ。ほんまにないですね。やり残してない。作家になって小説が売れたということはなかったけどね。大阪の放送界で僕はトップを行ってたし。弟子に託すこと…弟子もめちゃくちゃええやつらやし。こいつらが食べられなくなったら、食わしたるっていうのはあったね。

▼演出が自分の仕事 本も書いた

 -新野は放送作家でありつつ、ほかに多くの仕事をした。

 新野 演出の仕事とかいろいろあったよ。でもね、演出の仕事はいっこうに認められない。ショーの演出もしたんです。和田アキ子や、杉良太郎のショーの演出とか、すごいこともやってんねん。文楽劇場のこけら落としの演出もやった。でも、そんなんは認められない。話題になるのは「ぬかるみ」のことばっかり。番組に出てたからしようがないと思うねんけど。自分がやっていることはショーの演出とか。自分の仕事は演出。テレビにも出たな。本も書いたけど、そのうち注文が一切来なくなった。それでも、お金がいっぱい入ってきて、これが今も続いているオレの貯金やねん。(放送作家で)そんなんない子はどないするん?世間的にみたら放送作家というたら永六輔、前田武彦、大橋巨泉、大阪は花登筺(はなと・こばこ)、香川登枝緒、新野新…。

 -話題は「死」にも及んだ。

 新野 やがて死ぬでしょ。死んだら…新聞に出るかな。母親が死んだときは新聞に出た。オレは出えへん。新聞に出えへんほうがええねん。葬式は内々のもんやから。テレビで特番?そんなんいらんて。葬式もせんでええと言いたいけど。そういうわけにはいかへん。

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 新野新(しんの・しん) 放送作家。1935(昭和10)年2月23日大阪生まれ。早稲田大学文学部卒。テレビ草創期、関西の各局でテレビドラマや演芸番組等の脚本・構成を担当。著書に「上方タレント101人」など多数。

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