小林克也 来年80歳でも「まだまだやる」…9時間の生放送では眠くなるときも

 DJ小林克也(79)は今年でラジオデビュー50周年となり、来年は80歳の誕生日を迎える。年齢とは関係なく衰え知らずにラジオにテレビに多忙な日々だ。昔ながらの友人たちは「よく続いてるな」と感心しきりだという。半世紀も活躍できる秘密は何なのか。BS朝日「ベストヒットUSA」(金曜深夜0時)収録終わりに小林を直撃した。

 -小林さんは子供のころ、米軍岩国基地のラジオ放送を聞いて英語を勉強したというのは有名なエピソードです。ラジオを介してエルビス・プレスリー、バディ・ホリーといったロックに出合った。後に「ザ・ナンバーワン・バンド」としてCDを発売されますが子供の時にロック歌手になろうとは。

 それはなかったですね。僕らが子供のころは、そういうのはあまりに遠い存在だからね。ラジオでプレスリーに出合うまでは三橋美智也とか、春日八郎という人たちの声を聞いていたんです。だから、そういう人たちが歌手だと思ってました。ロックを自分が歌うなんてその時は考えられなかった。

 -プレスリーの「ハートブレイク・ホテル」がお好きだと。

 そうです。本で知ったんですがジョン・レノンも「ハートブレイク・ホテル」を聞いて人生が変わったみたいなことを言ってるんです。彼は僕よりひとつ年上です。やはりあの曲のインパクトはすごかったんだなと。僕はラジオから流れてくるジャズとかウエスタン、カントリーを聞いていましたがプレスリーが聞こえた時はまったく特別に聞こえました。「これは何だ?」と驚きましたね。

 -2018年に喜寿を迎えられました。ツアーを東京、名古屋、広島で開催。関西がなかったのはなぜ。

 関西は放送局のコネがなかったんです。広島でも名古屋でも仕事をしていて放送局に頼めば良かったんです。でも、大阪で番組はなかったんですよ。知ってる人はいたんですけど頼みに行くのもなって。あとで大阪も来て欲しいって言われましたね。

 -関西が嫌いなのかと。

 ぜんぜんそんなことはない。

 -来年は80歳で傘寿を迎えられます。ツアーは。

 バンドのメンバーはやりたいやりたいって言ってんだけど、なかなか難しいんじゃないかって話してます。来年もコロナは続いているでしょうしね。やるんだったらちょっと違うようなことをやったほうがいいかなってみんなで言ったり。

 -今年でラジオデビュー50周年です。どのような感慨を。

 そりゃびっくりする自分もいますよね。友達はみんな言うんです。大学とか高校時代の友達が「おまえ、よく続いてるよな」って。「どうするんだおまえ、やめんのか」とか。「いや、やめないよ。やめるつもりはないよ」って。だけど、苦しくなる時はあるんです。たとえば、ラジオで9時間の生放送やってるんです。

 -「NACK5」の「FUNKY FRIDAY」ですね。金曜朝9時から。

 そうするとね、眠くてしょうがないときがあるんです(笑)。もうやめようかなって思う瞬間はありますよ、気分的にね。僕らの仕事は気分がものすごく大切なんです。「やる気」っていうのが。それがなきゃやめることも考えるかもしれない。でもね、やる気がまだまだ出てくるんでやってます。自分から100%のやる気が出てくるんじゃなくて、人とこうやってることで維持できたり。

 -人と接することでモチベーションが生まれる。

 そうだね。仕事をすることでね。でも友達は「おまえ、年取っちゃって、みんな使いたがってないんじゃないの」って言います。「テレビ局やラジオ局を脅して仕事とってんじゃねえか」って。そういうこと言うやつがいるんですよ。「ばか言っちゃだめだよ。おれは局がやってくれって言うからやってんだよ」って。例えば実際にラジオで5年前だったかな、聴取率をみると僕の番組が裏番組と比べて8割がた勝ってるってことがあったんです。友達に言いましたよ。「おれは8割がた勝ってるんだ。おれたちの仕事は分かりやすくて、数字で負けてぺしゃんこになったらだれも使ってくれないよ」って。「ちょっとでも勝ってるから仕事が来てるんだ」って。もちろんそれだけじゃなくて、やはり、これまでのつながりみたいなものがあります。局側からすると「小林に任しておくとちゃんとやってくれる」っていう信頼があると思うんです。それで続いていると思います。

 -長くやってきたからこそのお互いの信頼。

 ええ。でもね、10年前は「克也さん、80歳まで頼みますね」ってよく言われました。僕は来年80になりますからときどき言うんです。「来年あたり考えないとな」って。

 -それはけっこう本気ですか。

 冗談でですよ(笑)。

 ▼小林克也(こばやし・かつや)▲ DJ、俳優、タレント。1941年3月27日生まれ。広島県福山市出身。米軍岩国基地からのラジオ放送を聞いて英語を身につける。慶応大学1年時に通訳試験合格。在学中より司会業も。70年、ラジオ関東(現ラジオ日本)「バブリング・ポップス」で電波デビュー。小林克也&ザ・ナンバーワン・バンドとしてCD多数。「ベストヒットUSA」の司会を一貫して務める。週末にラジオ3局で計19時間の音楽生番組を担当。熱烈なカープファン。

 ▼ベストヒットUSA▲ 1981年にテレビ朝日でスタート。89年でいったん終了。03年にBS朝日で再スタート(金曜、深夜0時)。現在に至る。司会は80年代から一貫して小林克也が務める。ゲスト出演者にポール・マッカートニー、ミック・ジャガーら大物がいる。13日の放送では、結成50周年となったアース・ウインド&ファイアーを大特集。数々の名曲のライブ映像や、懐かしいMVなどを届ける。

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