「ムー」の精神は「テーマとの距離感」予言は外れる…でも今年の東京五輪はない!?

月刊「ムー」の三上丈晴編集長(2018年10月撮影)
毎月9日発売の月刊「ムー」最新の3月号
「ムー」といえば超能力。空前のブームから40年後、来日してスプーンを曲げたユリ・ゲラー氏=都内(2014年撮影)
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 UFO、超能力、未確認動物、超常現象、古代文明、魔術、都市伝説…。1979年の創刊から「世界の謎と不思議」に挑戦してきた月刊「ムー」(ワン・パブリッシング発行)は、40年以上に渡ってブレないスタンスを貫いている。「ムー」とは何か?91年からムー編集部歴30年となる三上丈晴・5代目編集長に話をうかがった。

 -ムーの精神とは。

 「テーマに対する距離感でしょうか。雑誌の作り手が、すべてが事実であると押し付けるようなスタンスだと、読者はドン引きしてしまう。かといって、少しでも茶化すと、白けてしまう。あくまでも、テーマに対して真摯に向き合って、一般の人が抱く疑問を一つ一つ検証していく。その上で、最後に残った謎について、大胆な仮説を提示する。あくまでも、一つの仮説と提示することで、知的エンターテインメントとして仕上げるということでしょうか」

 -印象的な特集は?

 「邪馬台国の透視(2008年3月号)はジョー・マクモニーグル氏(※FBI超能力捜査官)との会話の中で出てきた企画です。ノストラダムスの大予言(99年7月発売号)は1999年の予言詩に対する様々な解釈、説を徹底的に検証して、その真相に迫るというもの。ノストラダムスが用いた占星術と魔術の視点から分析した専門的な記事です。最近ではウイルス進化論の総力特集(20年12月号)です。30年前は異端だった説が、いまやウイルス学の常識として認められている。コロナ禍の昨今、ウイルスに対する関心もあって、人気でしたね」

 -「ムー民」と称される愛読者について。

 「読者が卒業せず、そのまま持ち上がっているので、かなりムー的な知識が豊富な方が多いように思われます。都市伝説が一般的になったことが大きいかもしれませんね。女性では、スピリチュアルが少しおしゃれなタームになったことも。コンプライアンスコードのため、地上波でのテレビ番組では深く突っ込んだ企画ができない分、ネットの世界で盛り上がりを見せています。特にYouTubeなどの動画チャンネルでは、けっこう注目されているのではないでしょうか」

 -年始企画「大予言2021」(2月号)が気になりました。過去の的中例は?

 「予言は、あくまでも予言であり、100%的中することはありません。ほとんどは外れる。外れた予言は忘れ去られるので、印象に残らない。ただ、中には世間が注目する事件や事故、出来事をずばり当ててくる人もいる。松原照子さん(※霊能者で『聖世見』など著書多数)は2012年の時点で、東京五輪2020はないと断言しました。ほかに、トランプ大統領の当選と今回の落選など、見事に的中させています。ちなみに、延期となったオリンピックですが、21年の開催もないと予言しております」

 -3月号の注目は?

 「総力特集は世界的なベストセラー『神々の指紋』の著者グラハム・ハンコックの最新・超古代文明論です。日本では、ほとんど知られていませんが、今、アメリカの地質学会では、今から約1万2800年前、専門的にヤンガードリアス期と呼ばれる氷河期に、地球に彗星が激突して世界的に気候変動が起こったことが定説となっています。この激変により、当時、存在した超古代文明が滅亡した。30年近くにわたって世界中の古代遺跡を自ら調査したハンコックが出した結論は、ぜひ読んでいただきたい」

 「陰謀論」をメディアが看過できなくなった昨今、時代が「ムー」に追いついてきた!?(デイリースポーツ・北村泰介)

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