「体育会系」学生なら内定確実はもう古い!?現代の採用基準に変化が【キャリアカウンセラーが解説】
かつて「体育会系は就活に強い」という説があった。厳しい上下関係に耐え、泥にまみれた姿は、企業にとって「ガッツのある人材」の象徴だった。今もこの説は成立しているのだろうか。
今の就職活動において、体育会系の経験はどう評価されているのか。キャリアカウンセラーの七野綾音さんに話を聞いた。
ー現在の採用現場において、体育会系というブランドは健在なのでしょうか?
ブランドとしての認知は今も残っていますが、評価のされ方は変化しています。かつては「指示を忠実に守り、困難も粘り強く乗り越える」という点が重視されていました。
一方で現在は、それに加えて「主体的に考え、行動できるか」という視点がより重視されています。また、上下関係が強い環境での経験も、「その中でどのように考え行動してきたか」といった観点で見られることが増えています。
ーでは、企業が今の体育会学生に本当に期待しているのはどのような点ですか?
「目標達成に向けた自走力」と「組織への貢献意欲」です。スポーツで培った粘り強さや継続力は、今も変わらず高く評価されています。特に厳しい環境で成果を求められた経験は、プレッシャー下での踏ん張りにつながる点で強みといえます。
ただし重要なのは、その努力に「再現性」があるかです。例えば、「がむしゃらに練習した」ではなく、「チームの課題をどのように捉え、自分の弱点をどう分析し、どのようなトレーニングを設計・実行したのか」といったプロセスまで言語化できるかが問われています。
ビジネスでも、自ら課題を見つけ改善できるかが重視されているためです。
ー「部活しかしてこなかった」という学生が陥りがちな自己PRの罠は?
多くの体育会学生は、「どれだけ頑張ったか」を中心に伝えがちです。その努力自体は価値がありますが、企業側はそこから一歩踏み込んで、「どのように考え、どんな工夫をしたのか」を知りたいと考えています。
単に「練習量」や「苦労の大きさ」を伝えるだけでは、競技の中での話にとどまってしまい、ビジネスとの接点が見えにくくなってしまうことがあります。また、「伝統だから」「先輩が言うから」という背景がある経験についても、その中で自分なりにどう捉え、どう向き合ってきたのかを言語化することは重要です。
ー体育会学生が就活を成功させるために、必要な「視点の切り替え」とは。
経験を「ビジネスの文脈」で捉え直すことです。「練習」は課題解決の施策、「レギュラー争い」は競争環境での差別化、といったように自分の経験を構造的に整理し、企業でどう活かせるかを言語化する必要があります。
この視点は体育会系に限りません。文化系の活動やアルバイト、個人での取り組みであっても、目標に対して考え、行動し、改善してきた経験は同様に評価されます。企業が見ているのは、所属していたカテゴリーというよりも、その中での取り組みの質です。
体育会学生の「粘り強さ」や「目標へのコミット力」は今も評価されています。その上で、経験をどう捉え、どう伝えるかがこれからはより重要です。再現性のある形で言語化できたとき、その経験は確かな強みとして活きていくはずです。
◆七野綾音(しちのあやね) キャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント
やりがいを実感しながら自分らしく働く大人を増やして、「大人って楽しそう!働くのって面白そう!」と子ども達が思える社会を目指すキャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント。
(よろず~ニュース特約ライター・夢書房)
