「好き嫌いが減る」「社会性が身につく」梅雨のおうち時間は子どもと一緒にお料理を!
各地で梅雨に入り始め、おうち時間が増えるこの季節。子どもの料理教室を運営する大坪さやかさんは、お子さんのいる家庭に向け、子どもの成長にもつながる「料理」を勧める。
「雨で外出できないと、どうしても子どもは不機嫌になりがち。おやつを一緒に作ると楽しい時間を過ごせ、美味しいものも食べられ、ご機嫌になりますよ」
初めて料理をする年齢は、比較的時間に余裕のある未就学児を推奨する。子どものうちから料理をすることが、料理の得意、不得意にも影響すると、大坪さんは考えている
「作るおやつはホットケーキがいいですよ。絶対に美味しく出来ます。少しくらい分量を間違ったり、混ぜ具合が足りなかったりしても、大きく味に影響しないところが最適ですね」
おうち時間が増えたコロナ禍で人気が高まり、一時は品薄となったホットケーキミックス。基本的に必要な材料は牛乳、卵のみ。やはりその手軽さは初心者向きだ。
「子どもと料理をするポイントは大きく3つです。まずは事前に『作り方の手順を確認しておくこと』。子どもはまだ経験が少ないため過程を想像しにくく、いきなり作ると、思ってもみない行動をしてしまうことがあります。初めにわかりやすいレシピの動画を見るのがいいでしょう。2つ目は『出来るだけ一人でやらせること』です。ついつい大人が口を出したくなってしまいますが、自信をなくしたり、やる気をなくしたりすることにつながってしまいます。忙しいと気持ちの余裕がなくなってしまうので、サポートする大人はある程度、時間に余裕のあるタイミングがいいですね。」
3つ目は『子どもが料理をする環境を整えること』。台所のコンロは子どもには高すぎるので、ホットケーキを焼くときはフライパンではなく、ホットプレートがおすすめ。そして、お玉が大きすぎたり使いにくかったりした場合は、大きめのスプーンでもいい。
「子ども用の調理器具も売っていますが、あとで使わなくなったり、収納場所に困ったりするので、出来るだけ大人用の器具を使ったほうがいいですよ。こども用に用意するのは、包丁くらいですね。」
レシピ通りに材料を混ぜたら、あとは子どもたちに焼いてもらおう。クマや犬、ウサギなど想像力豊かなこども達は大人が思ってもみなかった形を作り出す。
「料理中の子どもの反応は面白いです。お豆を煮ていたら『おふろに入っているね』とか『おどっているね』とか、思わずクスっとなります」
同世代の子ども同士で料理をするのもまた楽しい。料理教室では必ずペアで進めている。そのほうが、互いに出来ることをサポートし合い、社会性も育めるのだ。料理は子どもたちの成長にもつながることを大坪さんは実感している。
「料理をすると、食べ物の好き嫌いが減ります。理由は2つです。1つ目は自分で作ると料理に親近感が生まれるから。2つ目は料理をやってみて初めて大変さがわかるから。立ちっぱなしで辛い、などの苦労がわかると料理を残せなくなりますよね。」
ホットケーキが成功したら、季節のおやつをつくるとより興味を引きだせる。夏は冷たいゼリー、冬はクリスマスケーキなど、レシピは尽きない。
どうしても気持ちも湿ってしまいがちな梅雨。おうち時間を楽しいステップアップの機会にしてみては?
(デイリースポーツ特約・遠藤萌美)
◇株式会社ルーアンライト 代表取締役 大坪さやか
料理を教えた子供は2万人以上。教えた管理栄養士として少年院、小学校などで10年以上勤務。少年院で少年少女がスイートポテトを作った時に見せた笑顔をきっかけに、こどもの自己肯定感を育む「こどもだけの料理教室ゆめつぼ」を創業。現在日本最大規模の料理教室に。教室運営のほか、子供が一年以内に自立して料理ができるようになる、独自のレシピ動画の提供なども行う。
ホームページ https://yumetsubo.com/