「若くして産む=キャリア終了」じゃない 21歳未婚学生で出産した彼女が語る“早く産んだからこそ見えた未来”
「21歳で出産って、キャリアどうするの?」--SNSで寄せられたコメントをきっかけに、彼女は想いを綴った。
「女性は子どもを持つ場合、一度はキャリアのアクセルを緩めなきゃいけないから、それがちょっと早く来ただけ。何歳で産んでも同じことかと」と投稿したのは、“もるさん”(@molmolchan_)。
-なぜこの言葉を発信しようと思いましたか?
「SNSでは“若くして産む”ことへのネガティブな声が少なくありません。でも私は、自身の体験でそれを覆したいと思っています。Z世代の間で『子どもを産みたくない』と考える人が増えている今、出産にポジティブなイメージを持ってもらいたい」
「若くして出産すると“経済的な不安”や“キャリアの停滞”が語られますが、それは何歳で産んでも避けられないと思います。同世代は残業や勉強に励み仕事に打ち込んでいますが、私は息子との時間を優先している分、時間的なコミットはできていないと感じることも。ただ、子どもを持つ限り誰もが一度はキャリアのアクセルを緩めるもの。私はそのタイミングが少し早かっただけです」
とはいえ、子育てと仕事の両立は決して簡単ではない。もるさんは出産を経て一度は正社員に就いたものの、1日8時間×週5日のような枠組みに縛られ、時間によって収入が決まる働き方に違和感を覚えるように。「最短で最大の成果を出したい」と考え、1年半後にフリーランスとして独立した。今では会社員時代よりも少ない労働時間で高い収入を得ながら、“私らしいキャリア”を築いている。
-どのようなお仕事をされているのですか?
「SNS運用代行・動画編集・オンライン秘書です。ちなみに会社員時代は、広告代理店でデザイナーとして働いておりました」
-若くして出産してよかったこと・大変だったことは?
「お産や体型の回復がスムーズで、祖父母もまだ若く、3世代で一緒にアクティブに過ごせるのがメリットです。20代の結婚・出産プレッシャーからも解放されて、2人目以降の選択にも余裕があります。一方で価値観の違いで疎遠になった人もいます。変わらず関わってくれる友人にはより感謝が深まりました」
-出産後、暮らしやキャリアの進め方で工夫してきたことは?
「通勤時間がゼロになった分、子どもと過ごす時間をしっかり確保できるようになりました。とはいえ、仕事が忙しくなりすぎて息子との時間が減ってしまった時期もあり、1日8時間以内の働き方に切り替えました。睡眠時間も8時間確保しています」
残りの8時間を『育児4h/趣味2h/読書1h/家事・食事1h』と視覚化し、寝かしつけ後の自由時間を確保。家事はパートナーと分担し、家電も活用しながら、“無理しすぎない暮らし”を心がけているという。
-今後のキャリアについて、どのような展望をお持ちですか?
「今後は、3つの目標があります。ひとつは、現在の事業を法人化して、仕事を通じてより多くの人のサポートをすること。次に、“21歳で学生出産した女社長“として発信を続け、同世代やこれから出産を考える人たちにポジティブな影響を与えること。最後に、息子にできるだけ多くの知識や体験の機会を与えてあげることです」
“若くして産んだからキャリアを諦める”のではなく、“より効率的に成果を出す働き方”を追求してきたもるさん。「同世代より早く子育てが終わる分、セカンドキャリアをじっくり築く時間があるとも感じています」と語る。
早く産んだからこそ見えた未来--“若くして産んでもキャリアは築ける”ことを、生き方で体現する彼女の姿は、多くの若者に希望を届けている。
(デイリースポーツ特約・緑川あいり)
