【神戸新聞杯】ヴェルトライゼンデ、不安一走 池添「春よりも落ち着きがあった」
「神戸新聞杯・G2」(27日、中京)
ダービー3着のヴェルトライゼンデが24日、栗東CWでの併せ馬でしまい重点に脚を伸ばし、上々の伸びを披露した。骨折や熱発の影響が心配されたが、その不安を一蹴する動き。本番へ向けて好発進といきたい。
朝一番の栗東CW。父ドリームジャーニーの主戦も務めた池添を背に、ヴェルトライゼンデの漆黒の馬体がゆっくりと加速した。先行するシロニイ(6歳3勝クラス)を目標に、じわじわと差を詰める。直線で内から並び掛けると、手応え優勢にゴールを通過した。
前脚を折り畳むような独特のフォームながらも、手前のチェンジはスムーズ。瞬時に加速し、6F84秒3-38秒6-11秒8をマークした。鞍上が「反応は良かった。ゴール前で気を抜かないように、少しだけ気合をつけて。動きは良かったです」と好感触を伝えれば、池江師も「上がり重点。入りがゆっくりだったので、しまいはいい伸びでしたね」と内容に合格点を与えた。
ダービー3着後に軽度の骨折(右後肢外側の副管骨)が判明。その上、秋初戦に予定していたセントライト記念を熱発でパスする誤算があった。指揮官は「熱発の影響はそうなかったと思いますが、骨折があって単なる夏休みではなかったですから。ここを使えば良くなってくると思う」とやや慎重な口ぶりだ。
それでも、最終リハはさすがの動き。潜在能力の高さから、いきなり好走しても驚けない。池添も「もともといい馬。フットワークがいいし、背中も柔らかい」と期待する好素材。精神的にも「きょうに関しては、春よりも落ち着きがあった」と成長を感じている。「使って良くなる馬ですが、皐月賞(8着)の時よりは全然いい。本番へ向けて、いいレースができれば」。秋初戦からダービー好走の底力を示したい。