【小倉記念】マリアエレーナ レース史上最大5馬身差の圧勝劇 待望の重賞初制覇

 ライバルを突き放したマリアエレーナ
 記念写真に納まる松山(右)と見上愛
2枚

 「小倉記念・G3」(14日、小倉)

 積極果敢に攻めた2番人気のマリアエレーナが直線で後続をぶっちぎり、5馬身差の圧勝で重賞初制覇を決めた。2着には10番人気のヒンドゥタイムズが入り、1番人気のジェラルディーナは3着だった。

 圧巻の独走劇だ。マリアエレーナは好スタートを決めると、すぐにポジションを下げて3番手の内へ。道中はこの絶好位でじっくりと我慢させ、4角手前で一気にスパートを仕掛けた。後続との差は開く一方。最後は小倉記念史上最大となる5馬身差をつけて待望の重賞初制覇を飾った。

 見事にエスコートした松山は「強かったですね。スタートをしっかりと出てくれて取りたい位置が取れ、イメージ通りのレースができました。最内だけ馬場がいいと思っていたので、そこを絶対に取りたかった。手応えもすごく良かったし、(ラストは)いい脚を使ってくれる。本当に楽な競馬でした」と圧勝劇に目を細めた。

 以前は広い馬場をゆったり走らせて末脚を繰り出すタイプだったが、陣営は能力向上を狙い、あえて小回りの小倉に挑戦させたのが昨年の夏。2勝クラスの高千穂特別を好位から最速上がりで差し切り、一発回答を示した。ここがターニングポイント。その思い出の地で、さらなる進化を遂げた姿を披露した。

 「担当者もジョッキーも手応えばっちりだったみたいで、自信を持ってくれていましたね。今は充実しているし、精神面が成長してレースでもスッと息が入って折り合えるようになった」と、吉田師に代わって小倉に臨場した福島助手は確かな成長をアピールした。

 充実期を迎え、ようやくタイトルを勝ち取ったクロフネ産駒に鞍上は「レースが上手になってきました。これからの可能性もあるし、楽しみ」と期待を抱く。灼熱の小倉で自信を深めた人馬がこの秋、さらなる飛躍を狙う。

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