【第１２２回】山下夏鈴（２４）＝三重・１２１期＝

　山下のヘルメットは大好きなバラがメイン。バラが大好きな理由を聞くと「高校の時に新体操をやっていて、その時の部活の顧問からボート選手になる時に『逆境に咲く花は最も貴重で美しい』の言葉を頂きました。どんな花が合うかなと考えた時、力強いイメージがあるバラを思いついたんです。それからはバラが大好きで、新しいヘルメットを作る時には絶対に入れようと思っていました」と決めていた。

　ただこのヘルメットができるまでには、泣くに泣けない物語があった。「ちょうどヘルメットの交換時期にＦ２になってお金がなかったんです。ヘルメットはカーボン製で１５万はするし、休みの間の生活費も必要。とても塗装をお願いするお金はなかったんです。結婚する前で、旦那（宇留多翔平）にもお願いできないし…それならと自分で作ることにしました」とまさかの自主制作になった。

　慣れない作業だったが「マスキングテープと塗料のスプレーを買ってきて何日もかけてやりました。すごく難しかったし、途中で心が折れて雑になってしまいました」と苦戦しながらも完成。

　「まあ近くで見るとにじんでいたりするけど、遠めで見ればきれい。初めての割にはいいかって感じに出来上がったと思う」と満足はしている。

　「次にヘルメットを作る時の目標は、更新時期にＦをしない。それときちんと貯金をしておく」と今以上のヘルメットを作るために頑張っていく。