【ボート】G1・児島キングカップが9日に開幕 地元選手も地元記者も必死のパッチ

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 児島ボートでは、10月9日から「G1・児島キングカップ 開設69周年記念競走」が開幕する。4日までの男女混合戦と同時進行で、記念の前検日に掲載される展望記事を必死のパッチで書いている。「必死のパッチ」。今までこの言葉を普通に使っていたが、関東や岡山の人には通じなかった。意味は「極めて必死であることを意味する表現。必死の最上級」。つまり私は「早く原稿を出せ」とイライラしているデスクの鬼の形相を思い浮かべ、必死でパソコンに向き合っているのである。

 10月のG1戦は、年末のグランプリ出場を見据えた賞金争いから目が離せない。賞金トップを走る峰竜太は3日に開幕したびわこ周年に出走中。きっちりとドリーム戦で逃げ切っていた。トップの峰は不在だが、児島周年には賞金ランク上位につけた今年の顔がズラリ。2位の浜野谷憲吾は7月のSG・オーシャンカップ(芦屋)で優勝。3位の原田幸哉は8月のSG・ボートレースメモリアル(蒲郡)を制し、上位3人は既に獲得賞金1億円を超えている。

 浜野谷のSG復活Vに刺激を与えたのは、同期の前本泰和。6月児島で開催されたグランドチャンピオンを49歳で制覇し、広島支部の後輩選手も驚く派手なガッツポーズで話題になった。

 エンジンノートは手書き、何種類もスクラップブックを作り続けているアナログな私は、重い資料を持ち歩きながら作業。1月から使い始めたエンジンノートの表紙はボロボロになりつつある。1ページ目には開催日時と優勝者を記入している。

 1月に行われた「ファン感謝3Days バトルトーナメント」にはスター選手が出場し、全国から記者も大勢集まった。巨大あみだマシンで1号艇を引き当てた片岡雅裕のガッツポーズと、その横でガックリしていた渡辺和将の顔を思い出す。優勝者の名前とエンジン番号を見ると、その節の記憶がよみがえってくる。ゴールデンウイークの鷲羽杯の欄には川崎智幸の名前が記入されているが、2周2Mまで先頭を走っていたのは茅原悠紀だった。そう思い出し、エンジン59のページをめくる。1月から2月、使用3節の評価は出足も伸びも回り足も△。2月の中間整備後、立間充宏の優勝戦2着、3月谷川祐一の優勝時には一気に全部が◎に上がった。当時はエース候補はこの59だった。5月の茅原悠紀もバリバリに出ていたし、グランドチャンピオンでは松井繁が優出もした。だが、現在下降気味。7月末のエンスト後、新ペラに交換されパワーダウンした。

 今年はこのパターンが多い。2連対率45%で2位の33号機も数字の力はない。守屋美穂の2回を含め優勝は4回あるが、グランドチャンピオンで峰竜太が準優前の試運転で転覆。優出はしたが、明らかに足落ちしていた。中間整備で一気に上向き「モンスターエンジン」と注目された63号機は5、6月がピーク。7月の転覆後にギアケースとプロペラが交換され一時の威力はない。お盆レースで63号機を引いた茅原は「引くのが遅いんすよ。もしこれがグラチャンに出ていて、その時に引けたら良かったですけどね」と苦笑。茅原が6月のSGで苦しみ抜いた29号機は、8月末を最後に使用されていない。

 エース候補と見られたエンジンが次々と下降する中、断然の存在となったのが36号機だ。もはや疑う余地なく36号機が1強。グランドチャンピオンでは菊地孝平が優出2着。準優で1号艇3人が敗れる波乱は、菊地のカドまくりで始まった。その後、お盆レースで阪本勇介が伸び一本の調整を行い、ノーハンマーで乗り継いだ浜野斗馬が5勝。続く田中辰彦は10走8勝で優勝を飾った。G1前の男女混合戦には36号機が出ておらず、シリーズは混戦となった。中田夕貴が好タイムを叩き出している42号機は果たして記念でどんな動きをするのか。誰が36号機を引き当てるのか。

 多摩川周年でまくりVを決めた茅原を含め、地元岡山勢は8人。30歳代7人と、25歳の入海馨が出場する。地元周年制覇に燃える岡山勢を、ボート歴30年、児島常駐12年目のおばはん記者が必死のパッチで追いかけまくる。児島のG1にご期待下さい!!(ボートレース担当・野白由貴子)

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