ケイバ熱盛ブログ「縁の下の力持ち」(12月2日)
「縁の下の力持ち」っていい言葉ですよね。栗東の山本です。
決してリーダー的存在ではないけど、目立たないところで他人のために努力する。なかなか実行できないことで、本当にかっこいいことだと思います。
最近レースを見ていて思ったのは、富田暁騎手(栗東・木原)がまさにこれに当てはまるのではないか…と。
というのも、来週の阪神JFに出走予定のメイケイエール(武英厩舎)を日頃、ほぼ付きっきりで調教をつけているのが富田騎手なんです。所属する木原厩舎で武英師が調教助手を務めていた縁もあり、武英厩舎の調教を頻繁に手伝っています。
他にもテイエムトッキュウ(木原厩舎)やスンリ(清水久厩舎)など、富田騎手が仕上げた馬の勝ち上がりも多く、陰の立役者的活躍が光っています。
レースを見られた方はご存じの通り、メイケイエールは気性の悪さからかなり乗り難しい馬らしいんですが、彼らしく一挙手一投足に気を配りながら乗っている様子。
「追い切りがすごく難しい馬です。ずっと浮いている感じで、そこで引っ張ると頭を上げてしまう。落ち着きが出れば…」
ただ、“走る馬に若手ジョッキーは育てられる”とはよく聞く話。武英師も「前進気勢のある馬で乗り難しいけど、彼もバランスが良くなっています。馬にも人にも、いい経験だと思います」とエールを送っています。
富田騎手も手応えを感じているようで、「(馬に)教えてもらうという面もあります。もちろんレースでも乗りたいっていうのはありますが、こうやって普段やっていることが身について、競馬で出せるようになりました。火曜日から馬に乗るのが楽しい。調教からレース、レースから調教という流れが楽しいです」と目を輝かせていました。
メイケイエールの将来性について「折り合いがつけば、距離はマイルまで持つと思いますよ。フットワークは距離が延びていい感じ。イメージ的にはグランアレグリアのようになれれば」と、1200~1600メートルで活躍するG1・4勝馬と重ね合わせます。これからはメイケイエールが走るたびに、富田騎手の陰の努力を思い出してほしいです。