ケイバ熱盛ブログ「父から子へ」(2月24日)

 2月末は競馬界にとって別れの季節でもあります。毎年、この時期は送別会なども行われるのですが、今年はコロナ禍で、それもかないません。引退する調教師の方々への感謝の気持ち、寂しい思いを“消化”し切れないまま、2月末を迎えている大西です。

 ジェンティルドンナ、ヴァーミリアンなど数々の名馬を手掛けた石坂正調教師(70)=栗東=も、定年によって2月末で引退します。息子である石坂公一調教師(38)=栗東=が、「寂しいですね。一緒に調教師をできたのは2年間で、負けることの方が多かったですが、励みになりました。対決するのは楽しかったですから」と、惜しんでいた姿が印象的でした。

 特に記憶に残っているレースは、昨年5月の京都の未勝利戦。ゴールドシップ産駒の1番人気シュルシャガナで挑み、父の管理する2番人気のラインハイトに敗れて2着でした。「当時は(悔しくて)二度と口聞かないと思ったほどでした(笑)。結局、勝たせてあげることができなかったですしね」。父から改めて勝負の厳しさを教わった出来事とのことで、「そう書いておいてください」と苦笑いしていました。

 競走馬にとって、未勝利で終わるか、1勝するかは大きな違いです。結果的に、その難しさを身をもって伝えた形だったのでしょう。私は父と職業が違うので体験することはなかったですが、親子が同じ土俵で戦えるのは幸せなことでもあり、何物にも代え難い貴重な経験だったはずです。父の背中から学んだことを財産に、数々の名馬を育ててほしいと心から願っています。

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