ケイバ熱盛ブログ「勝負師の目」(9月9日)

 3カ月に渡る夏競馬が終了。馬券の調子は…夏バテ気味でした。秋競馬は違うはず。そう願いながら、今週からも馬券を買いまくる栗東・井上です。

 この夏も多くの出来事がありました。なかでも胸を打ったのが、1日に佐賀で行われたサマーチャンピオンです。JRAジョッキー3名がPCR検査のため騎乗できず、JRA馬4頭のうち3頭が急きょの乗り代わり。1番人気馬ラプタスは佐賀県競馬所属の鮫島克也Jが手綱を取りました。結果は、代打騎乗に見事に応えるV。統一重賞の最年長勝利記録を更新に感服しました。

 JRAだとあのウオッカの新馬戦でコンビを組んだことでも知られていますが、地元では“キングシャーク”と親しまれる佐賀競馬の雄。ワタクシが佐賀競馬場を訪れた15年ほど前のことです。「佐賀はサメカツを買えばもうかるぞ」。パドックで知らないオジサンにそんなアドバイスをされたことがありました。昨年12月26日には地方通算5000勝を達成。調教師試験の合格を目指しているため、今は乗り数を減らしていますが、58歳の重賞制覇には震えるものがあります。

 息子にはどう映っているのか。鮫島克駿Jに聞いてみた。「うれしかったですね。58歳ですから、素直にすごいと思います。熱量が減ってもおかしくない年齢。それでも父は競馬に対するモチベーションが驚くほど高いんです」。デビューした頃の克駿Jは、土日の競馬が終わると、電話で色々と注意を受けたという。父の事細かなチェックとアドバイスがあって、今の彼がある。急成長させた要因の一つでしょう。

 「最近はあまり連絡がないですね。昨年の中京記念(ディメンシオン=9着)のあとは結構言われましたけど」。自分でも進路の取り方を悔やんだレースだ。父が抱く息子への愛情と、キングシャークのアツさを感じるエピソードでもある。

 ジョッキーになって父の偉大さに気付く。「僕は末っ子で甘やかされて育ったので怒られた記憶がないんです。優しい父という印象でした。だから、レースで見せる表情は家で見たことがない。サマーチャンピオンの映像を見て思いました。“目が死んでない”って。競馬に行くとギラギラしているんですよ。普段はあんな顔をしないから…」。年齢を重ねても、勝負師は勝負師であり続ける-。「父の勝利数には追いつけないけど、JRAで目立った活躍ができれば少しでも近づけるのかなと思います」。そう話すカツマもまた勝負師の目だ。

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